世界が認めた高品質な車たち!? 海外進出のきっかけとなった昭和の国産車3選
タフなクルマがトヨタ世界進出の原点!?
●トヨタ「40系ランドクルーザー」
長い歴史を持つトヨタ「ランドクルーザー」シリーズは、現在も世界中で高い評価を受けている本格的なクロスカントリー4WD車です。
ランドクルーザーには大きく分けて「ヘビーデューティ」、「ライトデューティ」、「ステーションワゴン」の3タイプが存在しますが、なかでも1960年から1984年まで生産された「40系ランドクルーザー」は、ヘビーデューティタイプの代表的な存在として人気がありました。
クラシカルな外観と高い悪路走破性能から、現在も愛好家から「ヨンマル」と呼ばれて愛されています。
発売当初の40系ランドクルーザーはガソリンエンジン車のみで、ショートボディに幌型の「FJ40」と、ミドルボディに幌型の「FJ43」、4ドアロングボディにメタルトップの「FJ45V」をラインナップ。
ボディ構造はトラックと同様で、ハシゴ型フレームにボディを架装しており、高い強度を誇っています。
外観では大きく張り出した左右のサイクルフェンダーが特徴的で、本格的なクロスカントリー4WD車では定番となっていたデザインにより、ランドクルーザーの車名が浸透する前は「トヨタのジープ」と呼ばれていたほどです。
日本での発売と同時期にはアメリカに輸出されると、当時、トヨタでもっとも売れた車種として大ヒットを記録。
1957年にトヨタは初代「トヨペット クラウン」をアメリカで発売しましたが、品質や性能に問題があり、1960年には輸出を停止。40系ランドクルーザーがこの危機を救い、トヨタの世界進出への足がかりとなりました。
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1960年代に日本車は本格的な世界進出を果たし、1980年代には北米市場を席巻。家電製品とともに、貿易摩擦の象徴的存在でした。
その後、海外生産を開始することで貿易摩擦は下火になりましたが、前出のランドクルーザーシリーズは、日本での生産にこだわったモデルです。
2018年の実績では、ランドクルーザーシリーズは約170の国と地域で販売されていますが、その97%は日本製です。残りの3%はポルトガルとケニアで生産されていますが、セミノックダウン生産で、部品は日本から輸出されています。
世界中の過酷な環境で使われているランドクルーザーは、その高い品質と信頼性を維持するために、メイドインジャパンとなっている稀有な例です。