1800万円オーバーで落札!! スバル「インプレッサ22B STi」とはどんなクルマだったのか
三菱「ランサー・エボリューション」の好敵手であるスバル「インプレッサ」。とくにラリーで活躍していた頃のモデルは人気があるが、なかでも400台限定販売だった「インプレッサ22B STi version」は別格の人気を誇る。英国でのオークションでは、どれくらいの価格で落札されたのか、レポートしよう。
ラリーで勝つために生まれた、スバル「インプレッサ」
1980年、世界に先駆けて4輪駆動車でラリーに参戦したスバル。その舞台は「サファリラリー」、参戦マシンは「レオーネ4WD」だったわけだ。
その後、1990年からは「WRC」に、新開発されたEJ20型エンジンを搭載した、初代BC5型「レガシィ」で参戦。1993年のニュージーランドで初優勝を飾った後、より戦闘力の高いマシンを投入されることになり、ひと回りコンパクトなボディを持つGC8型「インプレッサ」が選ばれたのだ。
●打倒ランサー・エボリューション
当時、インプレッサのライバルとなっていたのが、三菱「ランサー・エボリューション」である。
デビューイヤーの1994年には、マニュファクチャラーズタイトルで2位、1995年から1997年まではチャンピオンとなったスバル「インプレッサ」だったが、ドライバーズタイトルは1996年から1999年まで、ランサー・エボリューションを駆るトミ・マキネンが獲得。
そんな熾烈なライバル関係は、ベース車であるインプレッサとランサー・エボリューションの、過激ともいえるモデルチェンジとチューニングのレベルアップを生んでいた。
そんななか、発売されたのが、今回紹介する「インプレッサ22B STi version(以下インプレッサ22B)」である。
このモデルは、1998年、インプレッサのWRCマニュファクチャラーズタイトルの3連覇を記念して製作されたものだ。そのモチーフとなったのは、チャンピオンマシンであるインプレッサのワールドラリーカーで、当時販売されていたインプレッサの2ドアクーペモデル「インプレッサ リトナ」をベースとして作られている。
ボディはワールドラリーカー譲りのワイドボディで、フェンダーは片側40mmワイド化され、全幅は1770mmとなっている。当然のことながら、前後のバンパーはこのフェンダーに合わせてリメイクされている。
搭載されているエンジンは「EJ22型」水平対向4気筒インタークーラーターボ。排気量は2212ccで、最高出力は自主規制のせいもあって280psと抑えられてはいたが、EJ20型と比べて低中速トルクが太くなっているため乗りやすく、スペック以上の速さを感じさせるマシンだった。サスペンションにはビルシュタイン製ショックアブソーバーがセットされていた。
このインプレッサ22Bの販売台数は400台だったのだが、わずか2日で完売したといわれている。
当時の車両価格は500万円。装備内容を見ればお買い得といえるだろう。しかし1998年というと、400万円もあればかなりの高級車が買える時代でもあった。そういう時代に、2ドアボディの高価なスポーツモデルがあっという間に売り切れとなったというのは、スバルにとってうれしい出来事であったはずだ。
またこのあと登場するSTIの限定コンプリートカー、たとえば2000年に販売された「S201」など、S20#シリーズの先駆け、となったのがこのマシンである。
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