ライバル勢に押され気味の「プリウス」 それでもブランド力を維持するワケ
近年、さまざまな新型車の登場によりトヨタ「プリウス」の人気が落ち込み傾向にあるなか、2020年7月の月間販売台数でトップ20入りする理由について迫っていきます。
2020年夏もトップ20入りする「プリウス」のブランド力はまだまだ健在?
世界初の量産ハイブリッド乗用車として現在もなお人気を集めるトヨタ「プリウス」は、自動車販売協会連合会が発表する2020年7月の月間販売台数が4654台となりました。軽自動車をのぞく普通車のなかでは、14番目に売れているクルマです。
現行プリウスは、2015年に登場した4代目です。発売当時にトヨタが新しく開発したプラットフォーム「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」をはじめて採用したモデルになります。
その結果、これまでのモデルとは比べ物にならないくらいの乗り心地や走行性能を実現し、大きな躍進を遂げました。
現行モデルが発表された当初、「歌舞伎顔」と呼ばれるフロントマスクデザインに不評が募り、販売台数が伸び悩んでいました。
しかし、2019年のマイナーチェンジを機に外観デザインを大きく一新したことで、2019年の年間販売台数ランキングにて首位を獲得します。また、2020年7月1日には一部改良を受けました。
直近の販売動向は、2020年1月から5月の販売台数順位が7位から9位となるものの、同年6月は11位、7月は14位となり、トップ10を逃す結果となりました。
かつて、2019年の年間販売台数首位に位置づけたプリウスですが、現在は「ヤリス」、「ライズ」、「カローラ」などのトヨタ内の新型モデルに押され、販売台数ランキングを徐々に落としています。
数多くのライバル車が登場するなか、2020年夏もトップ20を死守し続けるプリウスですが、この順位はそのブランド力がいまもなお健在している証拠といえるのでしょうか。トヨタ販売店の担当者は次のように話します。
「プリウスは、現行モデルを含めて4代にわたる息の長いクルマなので、現在もプリウスブランドとして充分に確立されています。
したがって、質感や性能、乗り味などを総合的に気に入って、今もなおプリウスを検討されるお客さまは一定数存在します。
実際に購入されるお客さまの大半は、比較的高齢層が多く、なかでも40代から50代が目立ちます。田舎に帰省する際の長距離利用や通勤時など、燃費性能を踏まえたうえでの使い勝手で選ばれることが多いです」
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プリウスは、ハイブリッドシステムの効率化、小型軽量、低損失化など、低燃費を実現するためにあらゆる開発努力が注がれています。
その結果、「E」グレードをのぞく2WD車(15インチタイヤ装着車)の燃費は、WLTCモードで30.8km/Lを実現しました。
また、先述したTNGAの採用により、低重心ボディを実現したことで、安定性や快適な乗り心地を楽しめます。
このように、プリウスは1997年に初代モデルが登場以来、23年もの長い歴史の中で築き上げてきた知名度やクルマの持つ性能により、現在もなお高齢者を中心に人気を集めていることは確かなようです。
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