なぜミニの人気は続く? 日本でミニが輸入車ナンバーワンの理由とは
豊富なボディラインナップとエンジンラインナップ
もうひとつの理由は、「ネオ・クラシックなデザイン」だろう。
アレック・イシゴニスが設計した初代ミニ(現行ミニのMINIに対し、初代ミニはminiと表記されることが多い)は、1959年から製造が開始されたが、1990年以降はそのメインマーケットは日本で、晩年は製造されるミニのほとんどが日本向けの仕様だったという。
そんな初代ミニのデザインや、そのヒストリーまでも引き継ぐ現行ミニに対して、最初から愛着を持つユーザーは多い。フィアット500が、往年のチンクエチェントのデザインを現代風にアレンジしたことで日本においても成功したように、ミニもそのネオ・クラシックデザインが人気の秘訣といえる。
2002年に日本上陸した新生ミニから数えると、現行型は3代目となるが、3代を横比較するとフロントフェイスのデザインもかなり変化しているのがわかる。ただし、ミニはミニ、初代のイメージを色濃く残したデザインは、誰が見てもミニだとわかるものだ。
ミニが人気の理由、最後はボディラインナップの豊富さだ。
3ドアハッチバックのみで開始されたミニだが、現在ではオーソドックスなミニらしい「3ドア」、3ドアをベースにホイールベースが延長され後席スペースも広がった「5ドア」、ソフトトップを持ち4シーターの「コンバーチブル」、観音開きのドアが特徴の「クラブマン」、そしてSUVの「クロスオーバー」と揃っている。
さらにはワン/クーパー/クーパーSのガソリンエンジンモデルだけでなく、クーパーD/クーパーSDというディーゼルエンジンモデル、クロスオーバーに用意されたPHEVなど、パワートレインも豊富に用意されている。さらにスポーツ派にはJCW(ジョン・クーパー・ワークス)もある。
つまり、さまざまな人のライフスタイルに合った、さまざまなボディのミニを提供することができるのだ。これこそがミニが輸入車ナンバーワンの地位を獲得した原動力だといえる。
それらすべてのミニ・ラインナップが、「BMWミニ」としてまとめてカウントされているということも大きい。
ただし、2020年上半期の輸入車2位になるVWゴルフも、5ドアハッチバックの「ゴルフ」だけでなく、ワゴンの「ゴルフヴァリアント」、7シーターミニバン「ゴルフ トゥーラン」、クロスカントリー「ゴルフ オールトラック」、スポーツモデルの「ゴルフGTI」「ゴルフR」「ゴルフGTE」、ピュアEVの「e-ゴルフ」を含めた数字だ。
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2020年7月12日に発表されたリリースによると、ミニの2020年上半期の世界新車販売は11万8862台と、前年同期比で31.1%のマイナスとなった。
これは世界的な新型コロナウイルス感染拡大によるものだが、前年2019年の世界新車販売は、2018年比で4.1%減の34万6639台と、右肩上がりだったミニがここにきて勢いが停滞しているのはちょっと気になるところだ。
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