【欧州車あるある】天井内張りが落ちてきたらどう対処するのがベター?

ちょっと古い欧州車によくあるトラブルとして、ルーフライニング(天井内張り)やドア内張りが剥がれたり浮いてくることがあります。どうしてルーフライニングが剥がれてしまうのか、その原因と対処法をプロショップのスタッフに尋ねてきました。

意外に多い「経年劣化」による内装のトラブル

ルーフライニングが剥がれて落ちてくるトラブルは、欧州車ではよくある。写真はプロショップでリペアしてもらった後のルーフライニング。サンルーフがある場合は、サンルーフも外してルーフライニングを張り直す必要がある

ルーフライニングが剥がれて落ちてくるトラブルは、欧州車ではよくある。写真はプロショップでリペアしてもらった後のルーフライニング。サンルーフがある場合は、サンルーフも外してルーフライニングを張り直す必要がある
ルーフライニングが剥がれて落ちてくるトラブルは、欧州車ではよくある。写真はプロショップでリペアしてもらった後のルーフライニング。サンルーフがある場合は、サンルーフも外してルーフライニングを張り直す必要がある

 まず、内装の経年劣化には、どのようなものがあるのでしょうか。

・ルーフライニング(天井内張り)やドア内張りの剥がれ
・ダッシュボードやセンターコンソールなどの樹脂パーツの割れ、もしくは劣化によるベタつき、白化
・本革のシートや本革を張ったパネルなどの擦れやひび割れ

 以前は輸入車に多く見られた症状ですが、近年では国産車でも新車登録後3年程度でもこうしたトラブルに見舞われることがあるといいます。

 その理由は、生産国が海外の工場であることや、コストダウンによる各パーツのクオリティの低下などが挙げられます。

 都内でクルマの販売メインに、修理や補修まで相談に乗ってくれるショップ代表者(匿名)に聞いてみました。

「やはりVWゴルフやBMWミニなど売れ筋の輸入車でも、そういったトラブルで相談されるケースがありますね。ただこれはドイツ車に限った話ではなく、イタリア車やフランス車など欧州車全体ではよくあるマイナートラブルといえます」

 その理由は、日本の気候による部分が大きいそうです。

「欧州で使用されている接着剤やウレタンが、日本の高温多湿な環境下では想定以上に劣化が進みやすいようです。とくに輸入車の場合は、価格が手ごろになってくる10年落ちの中古車などで内装が剥がれてくることがよくあります」

 BMWを例に取ると、1980年から1990年代にかけて生産された車両では、ルーフライニングやドアの内張りが剥がれてくるのはよくあるトラブルです。E36型3シリーズのルーフランニングが垂れ下がってくるトラブルや、ドア内張りが剥がれたりたるんでしまう症状は、青空駐車して保管された個体では頻繁に見受けられました。

 また、この時代のフェラーリやアルファ ロメオなどでは、センターコンソールやダッシュボードの樹脂表面皮膜が溶け出し、ベタベタする症状がよく見受けられたものです。

 こうしたトラブルは、この当時、内装材として使用され始めた樹脂やウレタンに原因があるようです。

 また、前述のショップ代表者によれば、欧州と日本でのクルマに対する文化の違いも大きいようです。

「最近の輸入車は製造精度が上がっていますが、メルセデスやBMWといった高級車も内装が剥がれることがあります。これは文化の違いなのかもしれませんが、3年や5年で新車に乗り換える人が多い日本に対し、購入したクルマをリペアしながら長く乗る人が多い欧州とでは、クルマへの接し方の違いがあるかもしれませんね。

 海外の販売店の知り合いに聞いてみたところ、内装が剥がれてきたくらいでは気にしないユーザーが多いそうです」

 内装パーツが剥がれてくることに対して、欧州の人たちはまったく動じないのかもしれませんが、ことルーフライニングが垂れ下がってくることは、後方確認もしづらく、安全に運転する上でも問題があります。では、どのようにしてリペアすればよいのでしょうか。

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