「ランエボ」だけの専売特許じゃない!? 他にもあったエボリューション車5選

日本語で「進化」を意味する「Evolution(エボリューション)」という言葉を、世間に広めたのは三菱「ランサーエボリューション」の功績ではないでしょうか。一方、それ以外のモデルでもエボリューションを名乗るモデルが存在。そこで、いろいろなエボリューションモデルを5車種ピックアップして紹介します。

「エボリューション」を名乗るクルマを振り返る

 1992年に限定販売された三菱「ランサーエボリューション」によって、「エボリューション」という言葉が日本でも広く浸透したのではないでしょうか。

まさに「進化」したエボリューションモデルたち
まさに「進化」したエボリューションモデルたち

「Evolution(エボリューション)」は日本語で「進化」を意味し、ランサーエボリューションの場合は、世界ラリー選手権(WRC)に勝つという目的のために、ランサーを進化させたということです。

 一方、ランサー以外のモデルでもエボリューションを名乗るモデルが存在。そこで、エボリューションモデルを5車種ピックアップして紹介します。

●三菱「パジェロエボリューション」

生粋のクロカン4WD車ながら迫力あるエアロフォルムをまとう「パジェロエボリューション」
生粋のクロカン4WD車ながら迫力あるエアロフォルムをまとう「パジェロエボリューション」

 1980年代から1990年代の三菱は、モータースポーツへ積極的に参加して、ブランドイメージを高めていました。

 WRCに参戦したランサーエボリューションだけでなく、「パリ-ダカール・ラリー」のような長距離を走るラリーレイドでは「パジェロ」が活躍することで、販売にも貢献。さらに、1991年に登場した2代目パジェロはRVブームの火付け役ともいわれたほど、高い人気を誇りました。

 ボディは3ドアのショートと5ドアロングの2種類で、ショートには後部座席部分と屋根がキャンバストップの「Jトップ」をラインナップ。

 1997年には、ショートボディをベースに、ランサーエボリューションと同様のイメージとした「パジェロエボリューション」を発売します。

 搭載されたエンジンは3.5リッターV型6気筒自然吸気で、最高出力280馬力を発揮。トランスミッションは5速ATと5速MTが設定されました。

 ボディも空力特性とオフロード性能を両立するように、大型フィン付リアスポイラー、ステップ付サイドエアダムの採用や、車体の剛性アップ、アルミボンネットなどによる軽量化が図られています。

 ほかにも専用デザインのバンパーと、大きく張り出した前後フェンダーは「エボリューション」の名にふさわしい迫力を演出。

 三菱はこのパジェロエボリューションをベースに1998年のパリ-ダカール・ラリーに参戦し、2位の成績を収めています。

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●メルセデス・ベンツ「190E 2.5-16 エボリューションI/II」

とても純正装着されたとは思えない派手なエアロパーツの「190E 2.5-16 エボリューションII」
とても純正装着されたとは思えない派手なエアロパーツの「190E 2.5-16 エボリューションII」

 現在、メルセデス・ベンツのラインナップで、日本における販売の中核となっているモデルが「Cクラス」と「Aクラス」です。

 なかでもCクラスはAクラスの登場まで、同社のエントリーモデルとして不動の人気を獲得。

 さらにCクラスの前身となる1982年に発売された「190E」シリーズは、日本の5ナンバー枠に収まるコンパクトなボディサイズで、1985年に日本への正規輸入が開始されると、だれもが憧れた高級車だったメルセデス・ベンツの普及を、一気に加速させたほど大ヒットしました。

 この190Eをベースに、1986年にはレースエンジンなどを手掛けるエンジニアリング会社「コスワース」の手により、175馬力を発揮する2.3リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載したスポーティセダン「190E 2.3-16」が登場。

 ドイツ・ツーリングカー選手権の出場資格を得るための、ホモロゲーション・モデルとして販売されました。

 そして1988年には、DTMのレギュレーション変更に合わせて排気量を2.5リッターとし、最高出力200馬力を誇る「190E 2.5-16」が登場します。

 1989年には、さらにチューンナップされた「190E 2.5-16エボリューションI」が開発され、1990年には最高出力を235馬力まで高められた「190E 2.5-16エボリューションII」が、それぞれ500台が生産されました。

 とくに190E 2.5-16エボリューションIIは、メルセデス・ベンツのモデルらしからぬ巨大なリアスポイラーや、斬新な形状のオーバーフェンダーが装着され、迫力ある外観を演出。

 メルセデス・ベンツの長い歴史のなかでも190E 2.5-16エボリューションIIは、異色のモデルとして君臨しています。

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●BMW「M3スポーツエボリューション」

レースで勝つために究極の進化を遂げた「M3スポーツエボリューション」
レースで勝つために究極の進化を遂げた「M3スポーツエボリューション」

 現在もBMWの主力商品となっている3シリーズは、初代が1975年に登場。1982年に2代目にモデルチェンジされると、2ドアクーペと4ドアセダンを基本に、カブリオレ、ステーションワゴンなどのボディバリエーションが設定されました。

 エンジンのバリエーションも豊富で、日本仕様には直列4気筒1.8リッターと直列6気筒2/2.5/2.7リッター搭載車がラインナップされ、バブル景気の頃は前出の190Eと並んで大ヒットを記録。

 さらに、1985年にはBMWのレース活動などを担当するモータシュポルトGmbH(現在のM社)が、欧州ツーリングカーレースに勝つために設計、開発した初代「M3」が登場します。

 M3は2ドアクーペをベースに、最高出力195馬力を発揮する2.3リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載。

 外観はフロントスポイラーとリアの大型スポイラー、サイドスカート、太いタイヤを収められるようにワイド化したブリスターフェンダー、Cピラーからトランクリッドも専用形状とされるなど、大胆に手が入れられていました。

 また、サスペンションもスタンダードな3シリーズとは別物で、各部がレース用のセッティングに対応するつくりとなっています。

 その後、M3は進化を続け、究極のモデルとして1989年に限定600台で「M3スポーツエボリューション」が登場。

 最高出力238馬力を誇る2.5リッター直列4気筒DOHCエンジンに換装され、フロントバンパーには調整機構のついたエクステンション・リップスポイラーを装着、フォグランプの代わりにブレーキ冷却用ダクトが開けられ、調整式のリアスポイラーも装着されました。

 日本では、日産「スカイラインGT-R」やホンダ「シビック」がトップランナーだった全日本ツーリングカーレースで、2.5リッター以下のクラス2ではM3のワンメイクとなるほど活躍しました。

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1件のコメント

  1. パジェロ・エボリューションは、98年のパリダカで1位から4位を独占しています。2位なんかではありません!

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