世界最速FFの称号をかけた大戦争 シビックタイプRとメガーヌRSの闘いの歴史とは
ホンダは2020年7月9日、「CIVIC TYPE R Limited Edition(シビック・タイプRリミテッド・エディション)」が鈴鹿サーキットにおいて、FFモデルで最速となる2分23秒993のラップタイムを記録したと発表した。FF最速をめぐっては、ルノー「メガーヌR.S.」と闘いの歴史がある。それを見ていこう。
シビックRが鈴鹿サーキットFF最速の称号を取り戻した
2020年7月9日、ホンダから「CIVIC TYPE R Limited Editionが鈴鹿サーキットで最速ラップタイムを記録」とのプレスリリースが出た。
これは、文字どおりにマイナーチェンジをおこなって発売予定の最新「シビックタイプR」の特別仕様車が、鈴鹿サーキットにてFF(前輪駆動)最速となる2分23秒993のラップタイムを記録したという内容だ。
ではなぜ、わざわざホンダは、お膝元となる鈴鹿サーキットのラップタイムを発表したのだろうか。
そこにはライバルの存在がある。それがルノー「メガーヌR.S.トロフィーR」だ。
なんと、そのライバルが2019年11月に鈴鹿サーキットに遠征してタイムアタックを実施。そこで2分25秒454という記録をたたき出していたのだ。
ホンダとしては、お膝元である鈴鹿サーキットで、自身の速さを証明する必要がある。それが2020年7月9日の最速ラップの発表とつながったのだ。
今回、FF最速をめぐるタイムアタック争いの舞台となったのは鈴鹿サーキットだったが、シビックタイプRとメガーヌR.S.との闘いは、それ以外の場所でも繰り広げられている。というか、その主戦場はドイツのニュルブルクリンク北コース(ノルドシュライフェ)なのだ。
全長約20・のニュルブルクリンクの北コースは「グリーンヘル(緑の地獄)」とも呼ばれる世界屈指の難コースだ。世界中の自動車メーカーが、新車開発のためにここで走り込み、また、その速さを証明するために熱心にタイムアタックを実施してきた。
当然、各社のFFスポーツモデルもタイムアタックをおこない、そのラップライムを競っている。そこで2000年代後半からチャンピオンとして君臨していたのがルノーのメガーヌR.S.であった。2008年に「メガーヌR26.R」においての8分16秒9、2011年6月の「メガーヌR.S.トロフィー」での8分7秒97というタイムで、FF最速を謳っていたのだ。
そこに挑戦者が現れる。セアト「レオン・クラブ280」だ。
2014年3月に7分58秒44を記録。メガーヌR.S.トロフィーの記録を上回った。しかし、すぐさまルノーは「メガーヌR.S.トロフィー275R」という特別車を世に送り出し、7分54秒36というタイムで最速の座を奪還したのだ。
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