今年後半登場の新型車は注目車揃い! SUVや軽・コンパクト、EVが続々デビュー

2020年秋以降に軽・コンパクトやFCVも登場!

●スバル「レヴォーグ」(報道発表:8月)

 2代目となるレヴォーグは、従来型の路線で進化します。次期型の特徴は、プラットフォームを刷新することです。

 基本的には現行「インプレッサ」から採用が開始されたスバルグローバルプラットフォームですが、フルインナーフレーム構造を採用して、乗り心地、静粛性、走行安定性の向上を図ります。

スバル新型「レヴォーグ STIスポーツ」(東京オートサロン2020)
スバル新型「レヴォーグ STIスポーツ」(東京オートサロン2020)

 エンジンは1.8リッター水平対向4気筒ターボを搭載。動力性能は現行型が搭載する1.6リッターターボと2リッターターボの中間で、最高出力は200馬力から230馬力でしょう。

 希薄燃焼方式も採用して、燃費性能の向上も図ります。

 安全装備と運転支援機能も進化させ、ミドルサイズワゴンの性格を継承しながら、さまざまな性能と機能をバランス良く進化させます。

●日産「ノート」(報道発表:10月)

 現行ノートの発売は2012年で、今年フルモデルチェンジを受けます。基本的なデザインは現行型を踏襲しますが、プラットフォームは大幅に刷新されます。

 すでに公開された外観(シルエット画像)を見ると、ボンネットを短く抑えてフロントウインドウの角度を寝かせています。ルーフは後方まで長く伸ばされ、空間効率の優れたボディ形状に発展します。

 エンジンは1.2リッターをベースにしたハイブリッドの「e-POWER」と、ガソリン車も用意されます。

 なお次期ノートと基本部分を共通化したコンパクトミニバンを用意する可能性もあります。

 かつて日産は「キューブ」の3列シート車として「キューブキュービック」の後継になるコンパクトミニバンを計画していたものの、リーマンショックなどの影響で立ち消えになった経緯があります。

 新型ノートで、3列シートモデルが実現するかもしれません。

●日産「エクストレイル」(概要告知:11月/発売:2021年)

 北米で披露された「ローグ」の2021年モデルが、日本では次期エクストレイルとして発売されます。

 外観は現行型に比べて直線基調を強め、初代や2代目エクストレイルに通じるオフロードSUV風のデザインに発展。トヨタ「RAV4」に似たパターンでもあります。

 ボディサイズは全長4650mm×全幅1840mm×全高1700mmなので、現行モデルと大きくは変わりません。

 注目される変更点は、現行型のハイブリッドがe-POWERに発展することです。モーターも強化され、動力性能はノーマルガソリンエンジンに当てはめると3リッターから3.5リッターに相当します。

 価格は2リッターのガソリンエンジン(あるいはセレナと同じSハイブリッド)が300万円前後、e-POWERはグレードに応じて350万円から400万円になるものと思われます。

●ダイハツ「ムーヴ」(報道発表:10月)

 ムーヴは、「タント」や「タフト」とプラットフォームを共通化してフルモデルチェンジされます。

 基本的な性格は現行型と同じですが、電動パーキングブレーキを装着して運転支援機能を進化させ、安全装備も充実させて、価格は現行型以上に割安に抑えます。

 タフトは装備を充実させながら、「X」の価格を135万3000円に抑えています。「ムーヴ X」は現行型と同じ120万円少々の価格を維持しながら、機能を充実させて買い得感を強調。実用指向の性格を際立たせます。

●ホンダ「N-ONE」(報道発表:11月)

 N-ONEは、車内の広い「N-BOX」や、実用的で価格の割安な「N-WGN」に比べて、趣味性の強いスペシャルティ感覚の軽自動車です。

 しかしエンジンはN-BOXなどと共通で、有効室内長を十分に確保するため、補機類を含めて縦長に設計されていりことから、N-ONEはボンネットを低く抑えられません。

 そのためにボンネットと天井の高さが中途半端で、N-WGNの発展型のように見えており、売れ行きも伸び悩み、ホンダ内部には廃止すべきという意見もあったようです。

 しかし従来型からの乗り替え需要も相応に多く、外観は現行型の基本デザインを踏襲しながら、2代目にフルモデルチェンジします。

 安全装備や運転支援機能は現行N-WGNと基本的に共通で、内装の質を高めるなどスペシャルティ感覚を強調します。

●トヨタ「MIRAI」(発売:12月末)

 燃料電池車のMIRAIはフルモデルチェンジします。新型MIRAIは東京モーターショー2019で初公開されています。

 現行型は前輪駆動ですが、次期型はレクサスLSやクラウンと共通のプラットフォームを使う後輪駆動車に進化します。現行型に比べると、走行安定性と乗り心地を向上させて走りの質を高めます。

 現行モデルは1回の水素充填で約650kmを走れますが、次期モデルは750kmくらいに伸びそうです。

 価格は現行型が740万9600円ですが、経済産業省による補助金が204万円交付されます。次期型はプラットフォームの刷新、質感の向上などもあって780万円前後に値上げされますが、補助金額も220万円くらいに増えるでしょう。

 走りの満足感が高まり、燃料電池車が欲しいユーザーにとっては選ぶ価値の高い車種になると思います。

※ ※ ※

 2020年後半の新型車は、軽自動車やコンパクトカー、SUVといったさまざまなジャンルのモデルが登場しそうです。

 また、電動技術を取り入れたモデルも多く、電気自動車やハイブリッド、FCVなど、バラエティに富んだモデルのデビューに期待が高まります。

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Writer: 渡辺陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。

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