日産「マーチ」は初代が最強か!? 世界で成功したコンパクトカーを振り返る
日産を代表するコンパクトカーのマーチは、2020年7月16日に一部改良がおこなわれました。1982年に初代がデビューし、グローバルカーとして世界中で愛されたマーチを振り返ってみます。
新世代のコンパクトカーがデビュー
1970年代になると、室内空間の広さや安定した走りを実現できるFF車が世界的に注目され始め、日産は1970年に同社初のFF車として「チェリー」を発売しました。
その後、チェリーは後継車の「パルサー」へとバトンタッチしましたが、もっとコンパクトなエントリーカーのニーズが高まり、1982年にすべてが新しい次世代の小型車、初代「マーチ」がデビュー。
発売前年となる1981年の東京モーターショーに、コンセプトカー「NX-018」として出展されました。
市販予定車として車名を一般公募するキャンペーンがおこなわれ、この新しいクルマの名前はマーチに決まります。
ボディサイズは全長3760mm×全幅1560mm×全高1395mmとコンパクトで、外観のデザインはフォルクスワーゲン初代「ゴルフ」や、フィアット初代「パンダ」を手掛けた、巨匠ジウジアーロが担当。
ボディタイプは3ドアと5ドアハッチバックが設定され、飽きのこないシンプルな外観が高い評価を得ます。
発売当初に搭載されたエンジンは52馬力を発揮する1リッター直列4気筒SOHCのみで、トランスミッションは5速MTと4速MT、3速ATが組み合わされました。
いわゆる「リッターカー」と呼ばれるカテゴリーに属し、すでに強力なライバルがいましたが、優れたデザインを武器に行動的な女性を中心に人気を獲得していきました。
内装はエントリーらしくシンプルなデザインで、装備も簡略化することで価格は60万円台からと戦略的な価格に設定。
また、装備の簡略化は軽量化にも寄与して700kg未満の車重を実現し、その恩恵で52馬力とアンダーパワーながらもキビキビとした走りが可能でした。
初代マーチは開発段階からグローバルカーの使命が課せられ、とくに欧州での販売が重視されました。
そして、1983年には車名を「マイクラ」に改め欧州デビューを果たし、1985年にはカナダへと上陸。とくに強豪なライバルが数多い欧州でヒットし、もっとも売れた輸入車として高く評価されます。
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こうして、順調なすべりだった初代マーチは、その後バリエーションの拡大と、「パイクカー」という新たなジャンルのクルマの登場、そしてハイパワー化への道を歩み始めます。
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