登場時 その顔には世界が仰天した! W210型 2代目メルセデス「Eクラス」は成功だったのか
独メルセデス・ベンツは2020年7月10日、登場から四半世紀経ったメルセデス・ベンツ2代目「Eクラス」(W210型)を祝うプレスリリースを発表した。
当時世界でもっとも売れたエグゼクティブサルーンだった
独メルセデス・ベンツは2020年7月10日、メルセデス・ベンツ2代目「Eクラス」(W210型)の登場から四半世紀経ったことを祝うプレスリリースを発表した。
W123型の後継車として1985年に登場したW124型の初代「Eクラス」は、W123のデザインコンセプトを引き継ぎ、メルセデスらしいオーソドックスなデザインだった。日本でもバブル時代だったこともあり、当時は非常に人気を博したモデルとなった。
そんななか、1995年にフルモデルチェンジして登場したのが、W210型2代目Eクラスだ。従来のEクラスとはまったく異なり、丸目のツインヘッドランプ(4灯式ヘッドライト)のフロントフェイスが特徴で、当時から「スポーティでかっこ良い」「いや、メルセデスらしくない」など賛否両論があったものだ。
そんなW210型Eクラスを振り返ってみよう。
W210型Eクラスは1995年、E200/E230/E280/E320/E420のガソリンモデルのほか、E220D/E290D/E300Dのディーゼルモデルでスタートした。
最高出力はE220Dの95psからE420の279psまでラインナップしており、1995年9月のフランクフルトモーターショー(IAA)で347psの最パフォーマンスモデル、E50AMGが発表された。また1998年にはコモンレール式直噴ディーゼルのE220CDI、2000年にはE200コンプレッサーなど、最新のパワートレインを搭載したモデルが追加されている。
W210型のトピックは、3つのデザインと装備のラインから選択できることだった。「クラシック」「エレガンス」「アヴァンギャルド」の3つのデザイン・装備ラインから選択できることも、ラグジュアリークラスのもうひとつのプレミアとなった。
標準装備では、ETS(エレクトロニック・トラクション・システム)からシートベルトフォースリミッターまで、数々の技術的ハイライトが盛り込まれている。また、サイドエアバッグ、レインセンサー、キセノンヘッドランプなど、この分野では世界初となる革新的な装備も特別装備として用意されていた。
W210型Eクラスのステーションワゴンモデルは、1996年3月のジュネーブショーで世界初公開。最大荷室容量は1975リッターとクラス最大の積載量を誇り、オプションで荷室にベンチシートが用意されて7人乗りになるなど、ヨーロッパではエステート市場で大人気モデルになったという。
W210型は先代のW124型とは異なり、クーペやカブリオレは登場しなかった。これは1997年以降、208系(C208・A208)CLKクラスとして登場したからだ。ちなみにC208は初代CLKクーペ、A208は初代CLKカブリオレになる。
W210型Eクラスは、1996年6月にマイナーチェンジ。デザインの変更とともに標準装備も拡充され、とくに安全装備の充実が図られた。ESPやフロントサイドエアバッグ、ウインドウエアバッグを全グレードで標準装備したほか、リアサイドエアバッグもオプションで設定した。
2001年1月、メルセデス・ベンツはW211型3代目Eクラスセダンを発表した。これによりW210型は生産終了となったが、W210型セダンはトータル137万4409台を販売した。
年間の平均販売台数は20万台を超え、世界でもっとも売れたエグゼクティブサルーンとしての地位を確立したという。このセグメントでのEクラスのシェアは平均24%、一部の国では40%に達していた。
またW210型ステーションワゴンは1996年から2002年12月までに25万7121台が生産された。セダンと合わせて8年間で160万台以上が生産されたことになる。
セダンでは約3分の2がガソリンエンジン、3分の1がディーゼルエンジンだった。ステーションワゴンでのガソリン・ディーゼル比率はほぼ1:1だったそうだ。
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オーソドックスなスタイリングで、いまもなお人気があるW124型Eクラス。そのデザインから大きく変わったW210型2代目Eクラスは、たしかに登場した当時は賛否両論あったと記憶している。
メルセデス・ベンツは、Eクラスのエクステリアデザインにおいては守りに入らず、攻めの姿勢を続けた。けっしてコンサバティブに陥らず、新しいプレミアムを提示したという意味においては、当時のキャッチコピー「最善か、無か。」を体現したモデルといえるのかもしれない。
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