さすがに過激すぎ!? ゴリゴリのエアロパーツ車3選
走っているクルマは常に空気抵抗を受けていますが、その空気を味方にする部品がエアロパーツです。もともとはモータースポーツの世界で開発・発展してきたエアロパーツですが、1980年代にはドレスアップパーツとしても人気となりました。そこで、過激なエアロパーツを装着したクルマ3車種をピックアップして紹介します。
効果あり!? すごいエアロパーツを装着したクルマを振り返る
走行中のクルマは常に空気の抵抗を受けますが、時には燃費性能や走行性能にまで影響を及ぼします。しかし、この空気の流れを利用して、走行安定性を高めるために開発されたのがエアロパーツです。
エアロパーツはもともとモータースポーツの世界で研究・開発され、初期はいかに空気抵抗を低減するかが重視されましたが、後に車体を路面に押し付ける力=ダウンフォースを得るために進化しました。
1980年代にはドレスアップパーツとしても普及し、現在は高性能車を中心に装着されています。
そんなエアロパーツが装着されたモデルのなかから、過激なクルマを3車種ピックアップして紹介します。
●メルセデス・ベンツ「190E 2.5-16 エボリューションII」
メルセデス・ベンツ「190E」は現在の「Cクラス」の前身で、1982年に発売された同社のエントリーモデルです。
日本の5ナンバー枠に収まるコンパクトなボディサイズで、1985年に日本への正規輸入が開始されると、大ヒットを記録。日本において、高級車のシンボル的存在だったメルセデス・ベンツの普及を加速させたモデルとして、足跡を残しています。
この190Eをベースに、1986年にはレースエンジンのサプライヤー「コスワース」の手により、175馬力を発揮する2.3リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載したスポーティセダン「190E 2.3-16」が登場。
「DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)」の出場資格を得るためのホモロゲーション・モデルとして販売されました。
そして1988年には、DTMのレギュレーション変更に合わせて排気量を2.5リッターとした「190E 2.5-16」が登場します。
排気量の拡大によって最高出力は200馬力まで高められていましたが、1989年には、さらにチューニングされたエボリューションモデルの「190E 2.5-16エボリューションI」が開発され、1990年には最高出力を235馬力まで高められた「190E 2.5-16エボリューションII」が、それぞれ500台生産されました。
とくに190E 2.5-16エボリューションIIは巨大なスポイラーやオーバーフェンダーが装着され、メルセデス・ベンツ車としては異彩を放つ存在です。
現在もメルセデス-AMGの「A45S 4マチック」や「GT R」に派手なエアロパーツが装着されていますが、190E 2.5-16エボリューションIIと比べると、だいぶおとなしくなりました。
●フォード「エスコート RS コスワース」
アメリカのビッグ3のひとつフォードは120年近い歴史のあるメーカーで、50年以上前には北米以外でも総合的な開発と生産の拠点を置くなど、グローバルで製造・販売を展開してきました。
なかでも欧州フォードは北米とは異なる独自の車種を生産しており、そのなかの1台が欧州版「エスコート」です。
初代は1967年に登場し、ボディは2ドア/4ドアセダン、バン、ステーションワゴンをラインナップする大衆車としてデビュー。FR駆動のコンパクトかつ軽量な車体を生かして、ラリーなどモータースポーツでも活躍します。
その後、代を重ねて1990年に登場した5代目では、世界ラリー選手権への参戦を目的に開発されたホモロゲーション・モデルの「エスコート RS コスワース」が登場。
前出の190E 2.3-16と同様にコスワースの手により開発されたエスコート RS コスワースは、1992年から1996年まで販売されました。
標準仕様のエンジンは227馬力を誇る2リッター直列4気筒DOHCターボで、フロントに縦置きに搭載され、駆動方式はフルタイム4WDを採用しています。
外観の特徴は3ドアハッチバックのボディに装着されたテーブルのような巨大なリアスポイラーで、真ん中に支柱があり、リアゲート下の中型スポイラーと合わせた2段タイプです。
ほかにもフロントに装着された大型スポイラーと前後のブリスターフェンダーによって、迫力ある外観を演出していますが、とにかく巨大なリアスポイラーにばかり目がいっていまいます。
ちなみに、開発段階ではリアスポイラーは3段となる予定でしたが、コストや生産性の問題から実現できなかったといいます。