ベントレー「ミュルザンヌ」勇退! 10年の歴史に幕を下ろす
ベントレーのフラッグシップであった「ミュルザンヌ」の最後の生産車がラインオフ。10年近くのミュルザンヌの輝かしい歴史に、ついに幕が閉じられた。
惜しまれつつ、ミュルザンヌの歴史に幕
2020年6月25日、10年以上の生産を続けたベントレー「ミュルザンヌ」の最終生産車が、ついに完成し、その輝かしい歴史に幕を閉じることになった。
7300台以上生産されたミュルザンヌは、すべて英国チェシャ―州クルーのベントレーの本拠で手作りされ、究極のラグジュアリーセダンを生み出してきたベントレーの実力を体現してきたアイコン的存在である。
ミュルザンヌの生産終了を祝う式典は、新型コロナウイルスの影響により、ベントレーの従業員たちがソーシャルディスタンスを保ちながらおこなわれ、最後の1台と一緒に記念撮影された。
記念撮影された最後のカスタマーカーである「ミュルザンヌ・スピード・エディションバイマリナー」は、タングステンの上にローズゴールドで仕上げられ、アメリカの幸運なカスタマーの元へ向かうことが決まっている。
また、その背後に極めて特別な最後のミュルザンヌがもう1台控えているが、そのクルマの行き先は、シークレットとされている。
ベントレーの会長兼最高経営責任者であるエイドリアンホールマーク氏は、次のようにコメントしている。
「ミュルザンヌは、ベントレーが世界最高のラグジュアリーカーを生産してきた最初の100年の間に学んだすべてのことの集大成です。
10年以上にわたりベントレーのモデルレンジのフラッグシップとして、ミュルザンヌはベントレーの歴史のなかで真のアイコンとしての地位を確固たるものにしてきました。
過去10年間にミュルザンヌに命を吹き込んだ何百人ものデザイナー、エンジニア、職人の方々を、私は大変誇りに思っています。いま、ビヨンド100戦略を通じて持続可能なラグジュアリーモビリティの未来を定義するためのベントレーの新たな旅を始めるにあたり、ベントレーのフラッグシップの役割は新しいフライングスパーに引き継がれました。
過去11年間で700人以上の人々が、ベントレーの超高級セダンの製作に300万時間近くを費やしてきました。
ミュルザンヌのボディの製作には約4200万か所のスポット溶接が必要で、豪華なレザーインテリアの製作だけでも100万時間以上を要しました。合計400万時間以上の個別の品質チェックをおこなう前に、9万時間近くもの時間がボディの研磨に費やされました。ミュルザンヌは愛の結晶なのです」
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2009年にペブルビーチでワールド・プレミアされたミュルザンヌは、常にアップグレードを重ねながら生産が続けられてきた。ミュルザンヌの終焉により、60年以上生産され続けたベントレーの象徴的な6.75リッターV型8気筒エンジンも、その歴史に幕を下ろすことになった。
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