ホンダ「ジェイド」なぜ生産終了? 6年前の悲劇が繰り返された!? ストリームと似た境遇とは
ホンダは2020年7月にミニバンの「ジェイド」を生産終了しました。しかし、同社は6年前にも類似したミニバンの「ストリーム」が生産終了となっていました。なぜ、2台は似たような境遇をたどってしまったのでしょうか。
後部ドアがヒンジ式のミニバンが持つデメリットとは?
ホンダは2020年7月に同社のミニバン「ジェイド」の生産を終了しました。国産モデルではごく少数となったヒンジ式の後部ドアを持つミニバン(3列シート車)で、ジェイドの生産終了によりホンダのミニバンはすべて後部ドアがスライド式のモデルとなりました。
そんななか、ホンダは6年前の2014年にも、ジェイドに類似したミニバン「ストリーム」の販売を終了しています。いったい、両車はなぜ販売終了となったのでしょうか。
かつて、国産ミニバン市場には後部ドアがヒンジ式のモデルが数多く存在していました。同社のミニバンラインナップでは初代が1994年に発売され、大ヒットを記録した「オデッセイ」も、後部ドアがヒンジ式のモデルとして登場しています。
その後、オデッセイが同社のミニバンとして定着していくなかで、2000年10月に新規車種として発売されたのが初代ストリームです。
ストリームは、5ナンバーサイズのコンパクトボディに、7人乗り可能な室内空間とステーションワゴンに近いスポーティな外観、気持ちの良い走りを高次元に融合。発売後10か月で累計販売台数10万台を達成する人気モデルとなります。
その後、トヨタから競合モデルの「ウィッシュ」が登場するなど市場の変化もありつつ、2006年7月には2代目へモデルチェンジ。
2列シート仕様も追加されるなど豊富なバリエーション展開となりましたが、2014年6月に生産終了する結果となりました。
ストリームの生産終了から8か月後、ホンダは6人乗りの3列シート車として日本市場で「ジェイド」を発売します。
当時、ジェイドについてホンダはストリームの直接の後継モデルではないと説明していましたが、同社ミドルサイズミニバンのステップワゴンと比べて、後部ドアがヒンジ式で低車高という点において、ストリームとジェイドは特徴が大きく一致していました。
しかし、販売状況は振るわず、マイナーチェンジで2列シート仕様が追加されるという奇しくもストリームと同じテコ入れがおこなわれたものの、2020年7月に生産終了となりました。
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ヒンジ式の後部ドアを備える両車は生産終了となりましたが、ホンダ以外の国産メーカーも含めて、後部ドアがスライド式のミニバンは依然として新車市場で人気のカテゴリです。
ヒンジ式後部ドアのミニバンが減少した要因について、国産自動車メーカーの関係者は次のようにコメントします。
「ミニバンブームになる前は、各メーカーでセダンが多くラインナップされていました。そのため、ユーザーからも、いきなり背の高いミニバンに移行するよりは、背の低いワゴン風ミニバンのほうが走りも安定しつつ荷物も乗るということで好評でした。
しかし、2000年代後半になると徐々に背の高いミニバンが人気になってきます。そのあおりを受けて、ワゴン風ミニバンは販売終了していきます。
同時に背の低いワゴン風ミニバンに備えていたヒンジドアが減り、背の高いミニバンに乗降性の高いスライドドアが採用されていった結果、ヒンジドアのミニバンが無くなったと考えられます」
また、国産ディーラーのスタッフは次のように話します。
「ミニバンにスライドドアが採用されている理由には、3列目に乗り込みやすくするためというものがあります。
ミニバンでは、2列目と3列目に乗り降りする際に同じドアを使わなければならないため、どうしても開口部が大きくなります。ヒンジドアでは全開にした際にクルマの横にかなり広いスペースが必要とされるため、スペース効率の良いスライドドアが採用されます」
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