車はデートの必需品!? バブル絶頂期に絶大な人気を誇った名車5選
バブル期はスタイリッシュなクーペがモテ車だった
●ホンダ「プレリュード」(3代目)
バブル真っ盛りの1989年は、クルマは実用性より見た目重視で、ほかのクルマに負けないセールスポイントがあれば売れた時代。クルマはデートの必需品で、スタイリッシュな2ドアクーペが大人気でした。
そんななか「スペシャリティカー」と呼ばれるジャンルが大流行します。その代表格ともいえるのがホンダ「プレリュード」(3代目)です。
ライバルの日産「シルビア」がターボエンジン搭載のFRで走りの良さもアピールしていたのに対し、プレリュードは大人なクーペの立ち位置でした。
全長4520mm×全幅1695mm×全高1295mmという低くスマートなルックスで、当時全盛だったリトラクタブルヘッドライトやフェラーリより低いと噂されたボンネットなど、洗練されたデザインが人気でした。
当時は珍しかったサンルーフを装着した白いプレリュードなどは、女性から「デートで誘ってほしいクルマ」ナンバー1といわれたものです。
エンジンは2リッターのNAエンジンのみ。量産乗用車としては世界初となる「機械式4WS」を採用していました。
その後、バブル崩壊前に4代目へとフルモデルチェンジしますが、肉厚でマッチョなボディラインを採用したスポーツクーペに変遷。
しかし、そのあとすぐにバブルが弾けてクーペブームも終焉すると、プレリュードは1996年に3代目と同様のスマートなクーペ路線へと回帰した5代目が発売されましたが、人気は再熱せず2001年で生産が終了してしまいました。
●日産「プリメーラ」(初代)
1980年代の日産は、クルマは豪華さにこだわり、運転の本質である走りや操作感といった部分での質が足りないと評価されていました。
そこで日産は「901運動」というキャッチフレーズを掲げ、「1990年代には世界一のハンドリングを実現させる」と明言。走りの質を高める技術の開発を進めます。
そんな経緯を踏まえて、FFでもしっかりした乗り心地と優れたハンドリングを併せ持つセダンを開発。「プリメーラ X」の名前で1989年のモーターショーで発表され、高評価を獲得しました。
当時、中型セダンは欧州生まれの輸入車が人気を集めていましたが、その人気輸入車に対抗できるような国産セダンはあまりなかったのです。
そんななか、1990年2月にデビューしたプリメーラは、優れたパッケージングと空力にも優れた全長4400mm×全幅1695mm×全高1385mmの比較的コンパクトなサイズで登場。
さらに、新開発されたマルチリンクサスペンションによって、「欧州車のハンドリングを超えた」とまでいわれ、日本だけでなく欧州からも高い評価を得ました。
プリメーラの戦略で正解だったのは、1.8リッターと2リッターのSR型エンジンのみの搭載で、ターボの設定がなかったことです。
ハイパワー競争には参加せず、ハンドリングの良さで勝負をかけ、デザインやパッケージングの良さも相まって、ファミリーユースにプラスαを求める層から絶大な支持を集めました。
プリメーラの高い質感の走りを実現させたマルチリンクサスペンションは、スカイラインGT-R(R32型)にも搭載された「アテーサET-S」や「Super HICAS」などとならび、「技術の日産」のイメージを印象付けるのに、大きく貢献しました。
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1989年といえば、昭和から平成への過渡期でした。クルマの技術的にもまだまだ「伸びしろ」があり、だからこそ新機能を盛り込んだニューモデルに、クルマ好きは一喜一憂したものです。
最近では「ネオクラシック」として、1980年代から1990年代のクルマが再評価されており、当時のクルマの魅力は色あせていないようです。
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