欧州に渡ったスカイライン!? GT-R復活前夜の特別な1台とは
60年以上もの長い歴史がある「スカイライン」は、高性能なセダン、クーペとして代を重ねてきました。そして「スカイラインGT-R」という伝説を残しています。そのGT-R復活の少し前に、記憶に残る高性能なスカイラインが誕生。いったいどんなモデルだったのでしょうか。
目立たない存在ながら「いぶし銀」の魅力があるGTS-R
1957年、プリンス自動車の前身である富士精密工業から発売された初代「スカイライン」は、アメリカ車を思わせる重厚なデザインに、当時としては先進的な技術が注ぎ込まれたミドルクラスセダンです。
そして、プリンス自動車になって登場した2代目、日産と合併してから最初に発売された3代目は、レースで活躍することでスカイライン=高性能モデルというイメージを定着させました。
その後、オイルショックや排出ガス規制の強化もあり、一旦はスペック的に目をみはるものはありませんでしたが、1980年代になるとターボエンジンの登場により一気に高性能化が進みます。
しかし、スカイラインシリーズのみならず、日産の中大型車を支えてきたエンジン「L型」も、さすがに設計の古さは否めなりました。
そこで、1985年に発売された7代目スカイラインからは、新世代のエンジン「RB型」を搭載。なお、7代目ということで「7th(セブンス)」の愛称で呼ばれました。
RB型エンジンでは初代と2代目スカイラインGT-Rに搭載された「S20型」以来となる、直列6気筒DOHCが復活。さらに高性能な「RB20DET型」ターボエンジンも加わります。
また、スカイラインは1985年から始まったレース「全日本ツーリングカー選手権」に本格参戦していて「グループA」と呼ばれるカテゴリーで争っていました。
このグループAでは変更できる部品が厳しく制限されており、ノーマルの状態でのポテンシャルがそのまま戦闘力の向上につながりました。
そのため、日産は1987年にレース用のベースに特化した「スカイラインGTS-R」を800台限定で発売します。
GTS-Rには専用のターボチャージャー、エキゾーストマニホールドなどが採用され、シリーズ最強の210馬力を発揮する「RB20DET-R型」エンジンを搭載。
外観では固定式のフロントスポイラーや、当時としては大型のリアスポイラーを標準装備するなど、ひと目で只者ではないとわかるルックスに変貌しています。
そして、発売年の1987年シーズン終盤から、全日本ツーリングカー選手権へと投入されました。
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