非常時知らせる「発炎筒」燃焼時間なぜ5分? 近年は炎も出ないLEDタイプも 視認性に違いある?
救援のプロであるJAFはLED発炎筒を使うのか?
燃料漏れのとき、炎が出る発炎筒の場合は引火の危険性があります。ガソリンに引火すると大変危険なので、このような場合はLEDが安心といえます。
LEDが優れているところはほかにもあります。発炎筒は使い捨てとなりますが、LEDは電池を入れ替えれば半永久的に使うことができます。
また、マグネットがついているタイプもあり、この場合地面に置くのではなく、クルマのボディに磁石で固定して使えるなどのメリットもあります。
このほか、LEDには次のようなメリットがあります。
・一般のLEDライトを使うときとほぼ同じ手順で使えるので、初めての場合も使いやすい
・炎が出ないので、子どもや高齢者にも安心
・発炎筒は有効期限が4年に定められているが電池を交換すればずっと使える
・一般的なLEDの非常信号灯は20時間以上点滅するので長い時間光らせておきたい場合は良い
・電池の放電や液漏れがない
・トンネルのなかなど煙が充満して排気しにくい場所では視界を妨げないLEDが安心(ただし、発炎筒は煙のおかげでいち早く異変に気付きやすいという長所もあります)
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ところで、JAFのロードサービスをおこなう際には、どのような非常信号用具を使っているのでしょうか。
JAF広報課に聞いてみました。
「JAFでは基本的には発炎筒を使用し、LEDタイプの非常信号灯は使用しておりません。しかし、夜間の見えづらさやトンネル内の視認性を確保するため、発炎筒の使用が適当でない場合は『ミラクルマーカー』というLED照明器具を使用しています」(JAF広報課)
JAFが使用しているLEDのライトは強力発光するLEDとランダムな発光パターンを持つ器具で夜間の視認性能に大変優れています。クルマに踏まれても安心な平べったい形で、頑丈堅牢な構造設計も特長です。
本体には強力磁石がついており、クルマのボディに簡単に装着して使うこともできるとのことでした。
ところで、発炎筒の燃焼時間「5分」はなにを根拠にしているのでしょうか。
発炎筒メーカーの団体である日本保安炎筒工業会に聞いてみたところ、「5分という時間は、故障などでクルマが止まってしまったときなど、発炎筒に点火して、三角板を置き、後続車への注意を促してガードレールの外など安全な場所に逃げるまでの時間を想定しています」とコメントします。
5分は「避難するまでの時間」ということでした。
結論としては、発炎筒とLEDタイプのふたつを備えておいて、それぞれ使い分けるのが良いのかもしれません。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
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