名作だったのか? それとも迷作!? 日産の珍車5選

前身の快進社から数えると100年以上もの歴史がある日産は、これまで数多くの名車を生み出してきました。一方で、あまり知られていない珍しいモデルや、ユニークなモデルも存在。そこで、日産の珍車を5車種ピックアップして紹介します。

日産が誇る珍車を振り返る

 日産は前身となる快進社まで遡ると、100年以上もクルマを作り続けている老舗メーカーです。これまでに数々の名車を世に送り出してきました。

日産が世に送りだした珠玉の珍車たち
日産が世に送りだした珠玉の珍車たち

 その一方で、あまり知られていない珍しいモデルや、ユニークなモデルも存在。そこで、日産の珍車を5車種ピックアップして紹介します。

●アベニールGT4

前置きインタークーラーがカッコイイ「アベニールGT4」
前置きインタークーラーがカッコイイ「アベニールGT4」

 1990年に発売された初代「アベニール」は、ステーションワゴン人気の高まりから発売されたモデルです。

 この初代はオーソドックスなスタイルのワゴンでしたが、1998年に発売された2代目では、よりスタイリッシュなデザインに変貌を遂げます。

 そして、アベニールには高性能モデルの「パルサーGTI-R」や「シルビア」などに搭載され、名機といわれた「SR20DET型」エンジンと、フルタイム4WDシステム「アテーサ」を組み合わせて搭載した「アベニールGT4」がラインナップされていました。

 アベニールGT4のエンジンは2リッター直列4気筒ターボで、最高出力は230馬力を発揮。初代にもSR20DET型が搭載されましたが、2代目では20馬力もパワーアップしています。

 ステーションワゴンに高性能エンジンとフルタイム4WDという組み合わせは、スバル「レガシィ ツーリングワゴン」や三菱「レグナム」などを意識していたと思われますが、なぜかトランスミッションは4速ATのみとなっており、スポーティさという点では中途半端な印象です。

 ちなみに当時の日産は、SR20DET型エンジンをステーションワゴンの「ルネッサ」、ミニバンの「プレーリーリバティ」にも搭載するなど、高性能グレードを拡充する戦略をとっていました。

 しかし、どのモデルも後の車種整理によって消滅し、後継車では高性能版は設定されなかったため、いまとなってはかなり貴重なモデルです。

●プレーリー

現在のミニバンの元祖といわれる「プレーリー」
現在のミニバンの元祖といわれる「プレーリー」

 1982年に日産は革新的なパッケージの5ドアワゴン「プレーリー」を発売しました。最大の特徴はセンターピラーレス構造の後席両側スライドドアで、左右ともに前後ドアを開くと、広大な開口部から室内にアクセスできたことです。

 室内のバリエーションは、回転対座セカンドシートが備わる3列シート8人乗り、折り畳み式後席の2列シート5人乗り、豪華な固定式後席の採用で快適性を重視した2列シート5人乗りを設定。

 また、リアサスペンションのレイアウトを工夫することにより室内の低床化を実現し、さらにバッグドアがバンパーごと開口する構造で、荷物の積みおろしがしやすい4ナンバー登録の商用バンもラインナップされました。

 プレーリーは現在のミニバンの元祖といえる存在ですが、最大のセールスポイントのセンターピラーレス構造や、バックドアの開口部を大きくしたことにより、ボディ剛性が低いと評されてしまいます。

 さらに、最高出力100馬力の1.8リッターと85馬力の1.5リッター直列4気筒SOHCエンジンでは、多人数乗車時の動力性能が低いとの指摘もありました。

 そのため販売台数は低迷し、1988年に2代目へとバトンタッチした際にはセンターピラーのある構造に改められました。

 後にトヨタやダイハツ、ホンダがセンターピラーレス構造のスライドドアを採用しているため、プレーリーのコンセプトは間違っていなかったといえますが、出るのが早すぎたのでしょう。

●ラングレー

完全に「ジャパン顔」の初代「ラングレー」
完全に「ジャパン顔」の初代「ラングレー」

 高性能なイメージで人気となった「スカイライン」は、代を重ねるごとにファンを増やしていきましたが、主力グレードは価格が高く、若者が簡単に買えるものではありませんでした。

 そこで、1980年にはフロントデザインがスカイラインにそっくりなエントリーモデル「ラングレー」が登場。

 ラングレーは当時のコンパクトカー「パルサー」とプラットフォームや多くの部品を共用した3ドアハッチバックで、発売当初は1.4リッター直列4気筒OHVエンジンを搭載したFFレイアウトを採用したことで、広い室内空間が特徴でした。

 ラングレーは、広告のキャッチコピーもスカイラインに寄せて「愛のラングレー」とされ、2代目では「ポールとポーラの新ラングレー」、3代目ではレーシングドライバーで、スカイラインのCMにも出演していた鈴木亜久里氏を起用し、若者に訴求します。

 また、3代目で追加された4ドアセダンには、完全にスカイラインを模した丸型4灯テールライトとなっていて、まさに「スカイラインズ・ミニ」といえるモデルとなっていました。

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6件のコメント

  1. トヨタを持ち上げ日産が珍車ねw
    ラングレーは日産プリンス系のミニスカイライン的な存在だがパルサーやサニーの姉妹で悪い車でもなければ珍車でもない、この型式でOHCのE型エンジンがデビューするわけだがA型エンジンも継続搭載されるなど実は華やかな世代の車なんだね、思えばラングレーやパルサーなどのハッチバックやプレーリーのミニバンスタイルは正に今の車の源流ではないのかな?
    サンタナを習ったトラッドサニーも評価は、高いしね、サンタナは縦置きエンジンの前輪駆動でダウサイズのディーゼルターボの原点ではなかったのかな?
    トヨタを祀りあげて他社に関しては悲観的な記事を載せる理由は車を企業を基点としてしか診れない証だな。

  2. サンタナは、輸入車ディーラーの「ヤナセ」でも、一定期間は併売状態でしたよね。というのも、サンタナに搭載していたエンジン(一時期ラインナップにあったディーゼル仕様など)は、当時のフォルクスワーゲン(VW)製でしたし。

  3. クエスト、記事ではあたかも日産の開発車のようですが、フォードと日産の共同開発車です。エンジンは日産、組立てはフォードのオハイオ工場です。
    記事最後の車種説明だからといって雑な説明はいただけない。

  4. クエスト、あたかも日産の開発車のような記事ですが、記事にある初代はフォードとの共同開発車でエンジンは日産、組立てはフォードのオハイオ工場です。
    記事最後の車種だからといって雑な説明はいただけない。

  5. プレーリー懐かしい。まだミニバンがなかったころ、カタログ見て一目ぼれして購入しました。センターピラーレス、スライドドア、巨大なハッチバックでキャンプ道具を満載するのも余裕。ボディ剛性はとんでもないレベルで、100km出すと怖かった。高原を走っているとオーバーヒートするし、キャンプ場の急坂はATが滑って登れず、手前から勢い付けてやっと登りきりました。

  6. アベニールのNAエンジン車に乗っていたけれど、室内の広さやスピーカーの配置はよかった。GT4は乗ったことがないけれど、そういえばカタログの一番最初にこれが掲載されていた。カタログで「ゴールドメタリック」が掲載されて、その車の色にあこがれて、その色にはしました。その当時は駆動力配置が基本の駆動力が50:50のフルタイム4WDで、のちのモデルは、ビスカス式の滑ったら駆動力が変わる4WDになってました。燃費が悪かったけれど、面白い車でした。10年以上乗ったけれど、故障して修理費が多額になったので廃車にしました。今思うと、ぜいたくな車でした。

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