ユニークな手法で生産されたクルマがあった!? 実は凝った作りのクルマ3選
実はかなりお金がかかっていた派生車とは!?
●ホンダ「N-BOXスラッシュ」
2011年に発売された軽トールワゴンのホンダ初代「N-BOX」は、同社独自のセンタータンクレイアウトの採用とエンジンルームのサイズ圧縮などにより、ライバルを上まわる広い室内空間を実現したことで大ヒットしました。
そして2014年には、N-BOXをベースに全高を1670mmまで低くして、箱型スタイルながらクーペをイメージしたフォルムの派生車「N-BOXスラッシュ」が登場。
N-BOXスラッシュは、主にアメリカで見られるカスタマイズの手法である「チョップドトップ」のように、ピラー部分を短くして全高を下げています。
さらに、リアドアがN-BOXのスライドドアに対してヒンジドアに変更されるなど、フロント部以外のボディパネルと、ウインドウすべてが新規で製作されています。
内装は色や素材にこだわり、5つの世界観を表現した5パターンを用意。オーディオも8スピーカー+サブウーファーが搭載され、ディーラーオプションで内装の不要な微振動を低減するデッドニングキットが用意されていました。
ほかにも、電動パーキングブレーキや、パワーステアリングのアシスト力を選択できる「モード切替ステアリング」など、N-BOXスラッシュのみに搭載された装備が多数あります。
こうしてさまざまな部分がこだわってつくられたN-BOXスラッシュは、2代目N-BOXが発売された後もモデルチェンジすることなく継続して販売されていましたが、2020年2月をもって販売を終えました。
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少量生産のメーカーでは、オーダーメイドによって世界に1台のクルマをつくることも可能ですが、今回の3台のように、大量生産をおこなうメーカーが変則的な手法でクルマをつくるケースは非常に稀です。
もちろん、利益が出ることを前提としているので、コスト度外視ということはありませんが、この3台は利益だけではない深いこだわりがあるように見えます。