ネットオークションで車が安く買える? 落札のポイントやトラブル回避法とは

出品者が用意する書類、落札者が手配する書類とは?

 中古車販売店での購入では、代行手数料も店側の利益になることや、説明の手間やトラブルの可能性を減らすために、購入者による名義変更は断られることが一般的です。

 ネットオークションにおいても中古車販売店が出品しているケースではだいたい同様ですが、個人出品の場合は手間をかけたくないという理由から陸送手配や車庫証明の取得、名義変更などの手続きを落札者がすることが喜ばれ、またそれが一番の節約につながります。

落札後の名義変更ではさまざまな書類が必要(画像はイメージ)
落札後の名義変更ではさまざまな書類が必要(画像はイメージ)

 自分で名義変更をするというとハードルが高い印象がありますが、必要な書類を集め、申請書類に記入し、陸運局で費用を払いナンバーを付け替えるだけなので、実際にやってみるとそんなに難しいことではありません。

 名義変更の手順の詳細は割愛しますが、車検付きの登録車の場合に必要な書類は下記の通りとなります。

1.譲渡証明書(旧所有者の実印の押印必須)
2.旧所有者の印鑑証明書(発行日から3か月以内)
3.旧所有者の委任状(旧所有者の実印の押印必須)
4.車検証
5.新所有者の印鑑証明書(発行日から3か月以内)
6.新所有者の委任状(新所有者の実印の押印必須)
7.新使用者の車庫証明書
8.手数料納付書
9.自動車税・自動車取得税申告書
10.申請書(第1号様式)

 これら書類のうち、1から4は出品者、5から7は落札者が用意します。8から10は管轄の陸運局および隣接する税事務所で入手するものです。

 6の新所有者の委任状は名義変更を落札者自身がする場合は不要で、出品者や代行業者に依頼する場合のみ必要になります。

 ネットオークションでは、落札者が名義変更を済ませるまでの保証金として数万円預かる出品者が多いのですが、これは指定の期限内に名義を変更すれば返金してもらえます。

 逆に期限を過ぎてしまうと保証金没収のうえ、さらに手続きが遅れれば罰金が加算されるケースもあるので、オークションの説明文を熟読し、期限を守るようにしましょう。

 自身のスケジュールと期限を照らし合わせ、無理そうな場合は入札前に出品者に相談をして、それでも難しいようであれば入札しないのが得策です。

 罰金といえば、落札後のキャンセルに罰金を科している出品者も少なくありません。

 厳密にいえば「落札=売買契約」ではないので支払いの義務があるかは判断の難しいところですが、出品手数料や出品者の手間などを考慮すると、ある程度のキャンセル料は仕方がないといえるでしょう。

 同じキャンセルでもとくに罰金が高く設定されているのが、現車を見ることなくキャンセルすることです。

 落札後に現車確認をして、「やっぱりやめます」というのならキャンセル料が少なくて済むケースもあり、できる限り入札前に現車を見に行くことをお勧めします。

 なぜなら、クルマの程度を確認すると同時に出品者の人柄を知ることが、ネットオークションで失敗しないための一番のコツだからです。

※ ※ ※

 ネットオークションは、上手に利用すればお目当てのクルマを相場よりも安い価格で購入できる手段です。

 その一方で、見ず知らずの他人と、それも高額になりがちなクルマの取引をするというのは、不安の多い買い方でもあります。

 不安を少しでも減らすためには、まず商品説明を熟読すること、そして分からないことは遠慮なく質問し、可能であれば入札前に現車と出品者を直接チェックすることです。

 そして何より、少しでも納得いかない点があれば、入札しない決断をすることが大事です。

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