もはや復活はありえない!? 1.6リッターコンパクトカー3選
かつて、若者を中心に絶大な人気を誇った1.6リッターエンジンを搭載するスポーツコンパクトは、いまでは絶滅寸前です。一方、わずかに残ったモデルや、高年式の中古車としてまだまだ購入が可能。そこで、比較的最近の1.6リッター自然吸気エンジンを搭載したモデルを、3車種ピックアップして紹介します。
いまでは希少な1.6リッタースポーツコンパクトを振り返る
かつて、ホンダ「シビックSi」やトヨタ「カローラレビン」といったスポーティなコンパクトカーといえば、1.6リッターの高性能自然吸気(以下NA)エンジンを搭載していました。
しかし、2000年代になると、これら1.6リッターNA高性能車は激減し、いまでは希少な存在です。
一方、少し前までは1.6リッターNA高性能車がわずかながら存在。そこで、最新モデルとちょっと前の1.6リッターNA高性能車を3車種ピックアップして紹介します。
●ミニ「クーパー」
BMWグループのプレミアムスモールとして2001年に登場した「ミニ」は、BMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)が販売していたミニを彷彿とさせるデザインで、発売直後から世界中で人気となりました。
グレードはベーシックな「ワン」、スポーティな「クーパー」、スーパーチャージャーを装着した「クーパーS」で、軽快に走りも大いに評価されました。
2006年に登場(日本での販売は2007年から)した第2世代のミニは、ボディサイズを若干拡大し、クーパーにはPSAと共同開発した1.6リッター直列4気筒エンジン、クーパーSには最高出力175馬力の1.6リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載。
そして、クーパーには120馬力の1.6リッター直列4気筒NAエンジンを搭載し、絶対的なパワーではクーパーSには及びませんが、むしろアンダーパワーを使い切るような走りは、スポーツそのものといえました。
第2世代のミニのボディは一般的なハッチバックのサルーンに加え、クラブマン、コンバーチブル、クロスオーバー、クーペ、ロードスター、ペースマンと、7種のボディバリエーションがあり、中古車も豊富なので手軽に1.6リッターNAが味わえるモデルとして、人気を維持しています。
なお、現行モデルの第3世代では、全車ターボエンジンになりました。
●スズキ「スイフトスポーツ」
初代スズキ「スイフト」は2000年に「カルタス」の後継車として発売。88馬力の1.3リッター直列4気筒DOHCエンジンを「ワゴンRプラス」と共通のプラットフォームに搭載したクロスオーバーSUV風のスタイルでデビューしました。
2003年のマイナーチェンジでは115馬力を発揮する1.5リッター直列4気筒エンジンを搭載し、専用サスペンション/ブレーキを搭載しエアロパーツを装着した「スイフトスポーツ」が誕生。コストパフォーマンスの高さが話題となりました。
そして、2005年に登場した2代目スイフトスポーツでは、1.6リッター直列4気筒エンジンを搭載し、ラリーをはじめモータースポーツで活躍したことで、スイフトスポーツの名声が一気に高まります。
2011年には3代目が登場し、エンジンは2代目と同じく1.6リッターNAエンジンを踏襲。
全長3890mm×全幅1695mm×全高1510mmとコンパクトな車体に136馬力を誇るエンジンを搭載し、トランスミッションはシリーズ初の6速MTとパドルシフト付7速マニュアルモードを採用したCVTが設定されました。
外観はやや控えめながら、専用デザインの前後バンパーやルーフスポイラー、左右2本出しのマフラーを装備し、スポーティに演出。
パワフルなNAエンジンならではの反応の良さと、1トン少々の軽量な車体によって、十分にスポーツカーといえるモデルに仕立てられています。
2017年に登場した現行モデルの4代目では、1.4リッター直列4気筒ターボに換装されたため、3代目が1.6リッターNAエンジン搭載車としてシリーズ最後となりました。