イベント開けば1700台が大集合!? 人気の輸入車、ルノー歴代「カングー」5モデルの違いを見る
大きくなった2代目は「デカングー」という愛称で親しまれる
●2代目カングー 前期型(2009年〜2013年)
欧州では2007年にすでにフルモデルチェンジされていたが、日本では2009年9月に登場した2代目カングー。
全長4035mm×全幅1830mm×全高1830mm、ホイールベースは2700mmと、先代と比べて全長で180mm、全幅155mm、全高20mm、ホイールベースで100mm大きくなっている。
あまりのサイズ拡大に、当時ルノー・ジャポンの担当者も「お客様が新型カングーを認めてくれるかどうか不安でした」と話していたことを思い出す。ただしフタを開けてみると、初代を上回る勢いで人気となり、大ヒットモデルに成長していく。
通常時660リッター、最大で2866リッターにも拡大する荷室は、アウトドア趣味のアクティブなユーザーに受け入れられた。また後席を倒すと大人2人が寝ることができるスペースになり、この頃からブームとなり始めた車中泊にオススメの輸入車としても知られるようになる。2代目カングーのバックドアは観音開きのダブルバックドアに統一された。
発売当時の車両価格は5速MTが219万8000円、4速ATが229万8000円。搭載エンジンは105ps・148Nmの1.6リッター自然吸気エンジンになる。
シャープな顔立ちの現行カングーにくらべると、グリルレスで愛嬌のあるフロントフェイスが見た目での特徴。おっとりとした顔が、カングーというクルマの性格にいちばん合うというオーナーは多い。
●カングー ビボップ(2010年〜11年)
2010年7月に発表された、2代目前期型カングーをベースとしたショートバージョンが「カングー ビボップ」だ。
全長は3870mm、ホイールベースは2310mmと、全長は345mm、ホイールベースは390mmも短縮されたこのモデルは、後席スライドドアを配した3ドアモデルになる。
後席は独立した2座になり、乗車定員は4名。手動開閉式のフロントグラスルーフと前後スライドさせて開閉可能なリアグラスルーフ、電動でテールゲートに収納できるテールゲートグラスでオープンカーのような開放感を味わうことができる1台になる。
エンジンは通常のカングーと同じ1.6リッター自然吸気、トランスミッションは5速MTのみで、車両価格は234万8000円だった。
ショートホイールベースのスタイリングは、まるでチョロQのよう。派生モデルだけに販売された台数も少ないため、いまでも中古車市場で高値で取引される。
●2代目カングー 後期型(2013年〜)
2013年8月に大幅なマイナーチェンジをおこなって登場したのが2代目カングーの後期型だ。
デザイン担当常務ヴァン・デン・アッカー氏による、ルノーの新デザイン戦略に基づくフロントフェイスは、俗に「アッカー顔」と呼ばれるもの。ただし、この際に搭載されたエンジンとトランスミッションは2代目前期型とまったく同じ1.6リッター+4速ATだった。車両価格はゼンが234万8000円、アクティフが214万8000円だった。
後期型の大きな転換点となったのは2014年5月。新たに115ps・200Nmを発生する1.2リッターターボエンジンを搭載したことだ。当初このエンジンには6速MTのみが組み合わされ、ATモデルは1.6リッターのまま。価格は6速MTモデル・4速ATモデルともに241万5000円だった。
この1.2リッターターボの出来が秀逸で、ここからまたカングーのMT比率が高まっていく。
そして2016年7月に、ようやく1.2リッターターボエンジンに2ペダルの6速EDC(DCT)が追加になり、さらにカングーの人気が再燃した。この時点では1.6リッター+4速ATモデルも併売され、ゼン(6速EDC)が259万円、ゼン(6速MT)が247万円、ゼン(4速AT)が241万5000円、アクティフ(6速MT)が235万円だった。
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「クルール」や「オーセンティック」など、次々と限定車を発売することで新鮮度を保ち続けるカングー。ただし欧州での発売から14年、日本での登場から12年と、やはり相当モデルライフも長くなってきている。
ライバルのフルゴネット、プジョー「リフター」、シトロエン「ベルランゴ」なども登場、最新のADAS(先進運転支援システム)を装備し、カングーの牙城を崩そうと虎視眈々と狙っている。
タイミング的には、2020年には欧州で新型カングーがお披露目されることになる可能性が高い。初代から2代目にフルモデルチェンジされたときのような大幅ボディ拡大はどうやらなさそうだが、どのようなデザインで登場するのか。PHEVやピュアEVはあるのか。いまから楽しみだ。
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