充電し放題だったのに… 日産「リーフ」の充電プラン改定で損するユーザーが続出した訳

これまでの月額2000円で何回でも充電できた日産「リーフ」の充電プランが変更され、集合住宅など自宅に充電設備を持たないユーザーにとって、実質的な値上げがおこなわれました。なぜ充電し放題のプランが終了したのでしょうか。

堅調なリーフの販売を支えた使いたい放題の充電プランが突然終了

 電気自動車として世界でもっとも多く販売されている日産「リーフ」は、2010年に初代が登場しました。2017年10月には2代目へとフルモデルチェンジされ、バッテリーも40kWhという大容量となり、JC08モードで400kmの航続距離を実現。電気自動車をより身近なものへとしてくれました。

充電中の日産「リーフ」
充電中の日産「リーフ」

 しかし、リーフの購買意欲を高めたのが、2016年12月からスタートした「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム2(ZESP2)」であったことは間違いないでしょう。

 このプログラムは、月額2000円(消費税別)で全国約7000基(発表当時)の急速充電器が使い放題になるというもので、自宅に充電コンセントを設置できない集合住宅などに住む人でも「これなら所有できるかも」と購入に踏み切ったユーザーも多かったと聞きます。

 しかし、このZESP2は登場から3年後の2019年12月に突如終了。新たに「ZESP3」へと変更され、月額2000円の定額制も廃止となってしまったのです。

 新しいZESP3では、プラン毎に決まった回数の無料充電つきの「プレミアム」3種類と、都度課金制の「シンプル」という計4種類のプランが選べるようになりました。

 急速充電10回分が付属する「プレミアム10」が4000円/月、急速充電20回分が付属する「プレミアム20」が6000円/月、急速充電40回分が付属する「プレミアム40」が1万円/月、都度課金の「シンプル」が500円/月となっています。

 自宅で充電できないユーザーにとって、もっとも安い「プレミアム10」でもZESP2の倍のコストがかかってしまう計算になります。

 また、ここでいう急速充電1回とは、多くの日産ディーラーなどで設定されている1回30分ではなく、10分を1回とカウントするため、30分の急速充電をおこなうと無料充電を3回分消費することになってしまいます。

 3年定期契約で月額が1500円安くなるプランもありますが、車検のタイミングを考えるとなかなか難しいところです。せめて、2年、3年、5年、というように複数のプランがあるとよかったのではないでしょうか。

 なお、普通充電については、プレミアムの各プランはどれだけ使っても0円、シンプルは1分につき1.5円かかります。

 ちなみに、同じ時間充電したとしても、急速充電器の出力やバッテリーの状態、残量、温度、そのときの気温などで変わってくるのでなんともいえませんが、リーフを所有する筆者(小鮒康一)の経験則では、40kWhのバッテリーを積んだリーフで、バッテリー残量が20%を切ったところからディーラーの急速充電器で30分充電すると、70%ちょっとくらいまで充電できるイメージです。

 70%の充電で走れる距離は180kmから200km程度なので、プレミアム10を使って走行できる距離は月に500kmから600km程度といったところでしょう。

 日常的にクルマを使うユーザーからするとちょっと物足りない感じといわざるを得ない距離です。

 また、無料充電分を消化したあとは都度課金で急速充電器を使うことができますが、プレミアム10では10分で350円、プレミアム20では10分で300円、プレミアム40では10分で250円、シンプルでは10分で500円という金額設定となり、プレミアム10で30分急速充電すると1050円ということになります。

 いいかえれば、約200km走るために1050円かかることになるので、コストだけを考えるとリッター25kmくらい走るハイブリッド車のガソリン代とあまり差がない、ということになってしまうのです。

 もちろん電気自動車にはコストメリット以外に優れた点も多くありますが、ZESP2時代に購入したユーザーの多くは、コストに魅力を感じた人も多いはずです。月額2000円だったら、充電待ちも我慢しようと思っていた人も少なくなかったでしょう。

※ ※ ※

 リーフは販売好調で、62kWhの大容量バッテリーを搭載した「リーフe+(イープラス)」も登場。さらには東京オートサロン2019では電気自動車SUVの「アリアコンセプトも発表して、まさにこれから電気自動車の購買意欲が高まってくるタイミングにもかかわらず、ZESP3に移行した理由はなんなのでしょうか。

 日産によると、「使い放題プランを設定したことにより、自宅に充電コンセントがあるユーザーも急速充電器を日常的に使うようになり、自宅で充電できないユーザーが急速充電器を使用しにくい状況が一部で発生したため」だといいます。

 確かに、休日の高速道路などのパーキングエリアは仕方ないにしても、日産ディーラーの急速充電器もフル活動に近い状況を目にすることが多くなってきました。

 とはいえ、自宅で充電できるユーザーではなく、急速充電器に頼るしかないユーザーの負担が増えるような改訂は、疑問が残るのも事実です。

 現在ZESP2に加入しているユーザーに関しては、入会日から5年間は引き続き月額2000円で充電し放題で利用できますが、期間が満了した後に新たな電気自動車に乗り換えるかどうかは悩ましい選択となりそうです。

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コメント

13件のコメント

  1. 「排出ガスがゼロということで、有事の際は電源になるだけでなく、体育館のような広い室内に車両を持ち込んで、ドアを開けて冷暖房を付けることで、安全に空間全体の温度をコントロールすることも可能となります。」

    エアコンは車両内外で熱交換をしているだけですので、冷房に関して記載の通りではありません。暖房に関してはヒーターを用いた加熱なら可能です。

  2. 体育館のような閉鎖空間に電気自動車を持ち込んで冷房は出来ません。暖房も効率は悪い。熱量保存則です。高校生程度の知識です。

  3. 記事の内容は興味深いのですが、タイトルに違和感があります。契約済のプランは今後5年間維持されるわけだから「充電プラン改定で損するユーザーが続出」した事実はないと思います。

  4. 記事の煮詰め不足も早々、こぞって叩きに集るコメントも見苦しいので記者様におかれましてはよくよく記事を見直してから掲載していただきますようお願いします。

  5. 記事にするなら
    日産の広報にしっかり質問して欲しいし
    そもそもディーラーは営業的にマイナスだと日産に抵抗したのかしら

  6. 昨年9月に「リーフe+(イープラス)」を購入しました。カタログにも2000円充電し放題、営業マンもセールストークで2000円充電し放題とのことで、車検も含め、ランニングコストが安いということもあり購入しました。どういう訳か解りませんが、勝手にプランを変更することはゆるされることなんでしょうか?

  7. 日産は顧客を馬鹿にしています。社会貢献できない会社は存続できないでしょう。

  8. 日産にだまされた。

  9. 本当にユーザーを馬鹿にしてます。熊谷さまも記されていたように、買う前の説明で書かれていたことが、買ったとたん、突然ユーザーにとって不利な方向へ、変更されることは、ある意味詐欺ではないでしょうか。変更尾の内容により車返しますという訳にはいかないのですから、公共料金である電気代金が高騰した場合、システムは同じで方法で、金額だけ上がるというなら理解できます。¥2000が¥3000ならそれも仕方ないかと思えますが、(5割アップは異常ですが)これから自動車メーカー各社が、電気自動車を売り出してくるわけです。各社の考え方もあるでしょうが、日産自動車さん、考え直してください。

  10. 定額プランありきのセールストークででリーフを購入して騙されました。

    この記事に書いていない重要なことがあります。

    2019年12月定額プラン廃止の発表がありましたが、11月の段階でディーラーがごく一部の客にその情報を伝え、本来はできない退会後即再入会の手続きをして、5年間の定額プラン延長をしています。
    勿論ディーラー独断ではなく、本社より「特例対応申込同意書」なるものが配布されていました。
    本来、約款では同じ人と車両で退会後即再入会は出来ないとされています。
    また、11月15日まででないと11月退会はできません。
    約款を捻じ曲げてまで、一部の客のみ定額プラン5年延長の特例対応をし、大部分の客は特例対応の存在すら未だに知らないままです。
    企業倫理って何でしょうか。

    このへんも詳しく取材していただきたい。

  11. 充電し放題だからマンション住まいでも安心!
    日本全国の急速充電が使い放題だから旅ホーダイ!

    って広告して2019年も売ってましたよね?
    それで買っちゃった人どうすんの?

  12. 月2000円の充電し放題が魅力で6年近くリーフに乗ってきました。でも新しい充電課金方式、いったいどんな人が考えたんでしょうか。だいいち充電器の出力によって充電時間がちがうことぐらいわからないのですかね。一回分10分より1秒オーバーするだけで2回分にカウントされるそうです。前のリーフが気に入った勢いでe⁺の新車を買ってしまいましたが今では半分後悔の気分です。こんな課金方式長続きしないと思います。

  13. 2000円(消費税別)で1ヶ月充電し放題にだまされた。日産の嘘つき!

    国は一緒懸命、排ガス0を言ってるのに
    これじゃ電気自動車は売れないよ!
    国がなんとかしてほしいものです。