よくぞ売った! わずか200台製造の激レア車があった!? 日産の珍車3選
前身の「快進社」から数えると、日産には100年以上の歴史があります。その歴史のなかで数多くの名車が誕生しましたが、なかにはユニークなクルマも存在。そこで、日産の珍車を3車種ピックアップして紹介します。
商売になったのか心配するほどレアな日産車
日産は1934年に設立されましたが、前身の快進社から数えると現在までに100年以上の歴史があります。そのながい歴史のなかで、数多くの名車が誕生しました。
一方で、なかにはユニークなクルマも存在。そこで、日産がこれまで販売した珍車を3車種ピックアップして紹介します。
●セドリック ロイヤルリムジン
かつて、日産の高級車というとフラッグシップに「プレジデント」があり、その下に「シーマ」、そして「セドリック/グロリア」という序列でした。
プレジデントは運転手がいることが前提のショーファードリブンなクルマで、シーマとセドリック/グロリアはオーナーが運転するオーナードリブンという位置づけでしたが、7代目セドリックにショーファードリブンモデルがあったのは、意外と知られていません。
それは、日産の特装車やカスタマイズカーを生産するオーテックジャパンが、7代目セドリックをベースにリムジンに仕立てた「セドリック ロイヤルリムジン」です。
セドリック ロイヤルリムジンは1987年に発売され、ベース車のシャシを切って600mm伸ばしてつなぎ直す「ストレッチリムジン」と呼ばれる手法で製造されました。
リアシートの足元は広大なスペースとなっており、前席と後席を隔離するパーテーションには、テレビやオーディオセットなどが装備されています。
ほかにもオーダー次第でさまざまな装備を搭載することができ、価格は約1500万円からでした。
なお、ロイヤルリムジンとは別にホイールベースを150mm延長した「セドリック ブロアムL」というモデルもあり、1996年に発売されています。
●240RS
1979年にデビューした3代目日産「シルビア」は、2代目とは大きく異なるデザインの、シャープなボディラインを持つスポーティなクーペ/ハッチバックでした。
そして1982年に、この3代目シルビアをベースとして、2.4リッター直列4気筒DOHC16バルブエンジンを搭載するレースベース車の「240RS」を発売。
240RSは当時の世界ラリー選手権への参戦を目的に開発されたため、グループBの公認を得るために200台を製造する必要があり、市販されました。
外観はラジエーターを積極的に冷やすために大きく拡大されたフロントグリルと、角張ったデザインのオーバーフェンダーが装着され、ベースのシルビアとは異なる迫力あるボディとなっています。
また、内装に快適装備のたぐいは一切無く、インパネには各メーターとグローブボックスがあるだけの、ストイックな仕様です。
エンジンは2基のソレックスキャブレターが装着され、最高出力240馬力を発揮し、実際のラリー仕様では275馬力までパワーアップされていました。
しかし、すでに当時のWRCは4WDでないと勝てない状況で、FRの240RSはすでに時代遅れだったため、優勝こそなかったものの、1983年のニュージーランドラリーで2位、1985年のサファリラリーで3位などの戦績を残しています。
なお、240RSは非常に希少なクルマですが愛好家が大切に所有しているケースがほとんどのため、いまでも旧車イベントなどで見ることができます。