タイプRの原点はNSXじゃなかった!? ストイックなホンダ車3選
タイプRの源流といえるモデルとは!?
●ホンダ「クイントインテグラ RSi」
ホンダは販売が低迷していた「クイント」の後継車として、1985年に「クイントインテグラ」を発売します。
1982年に登場した2代目「プレリュード」と同様に、リトラクタブルヘッドライトを採用したショートノーズ・低ボンネットが特徴で、全グレードがDOHCエンジンを搭載する3ドアハッチバックとなり、スポーティに生まれ変わりました。
トップグレードは「GSi」で、最高出力135馬力(グロス)を誇る1.6リッター直列4気筒DOHCを搭載し、パワーステアリングを標準とするなど装備も充実した仕様です。
一方、2番目に位置する「RSi」というグレードがあり、エンジンはGSiと同じながらパワーステアリングやパワーウインドウ、ラジオすら装備しないストイックなモデルでした。
また、標準ではバンパーが無塗装とされながら、リアスポイラーを装備するなど、一見するとモータースポーツベース車のようなルックスとなっています。
簡素な装備としたことで、車重もGSiより20kg軽い940kg(MT車)となっているなど、実際に走行性能が高められていました。
しかし、RSiは特殊なグレードだったためか、1986年に4ドアセダンが追加されたタイミングで販売を終了。
わずか2年にも満たない短命なモデルだったクイントインテグラ RSiは、後のタイプRシリーズを予感させる原点ではないでしょうか。
なお、次世代のインテグラで同様に硬派なグレードのRSiが復活しています。
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現在、タイプRはシビックのみとなっており、走行モード選択によっては、かつてのような我慢を強いられるような乗り心地ではなく、普段使いにも適したスーパースポーツとなっています。
一方、初代シビックタイプRであるEK9型や、初代インテグラタイプRのDC2型はストイックなモデルとして有名ですが、現在この2台の価格が高騰している状況です。
普段使いには適さないほど硬派な2台ですが、再評価された背景には、現代のクルマが失った何かが求められているのかもしれません。