道なき道ではなく我が道を行く!? 珍クロスカントリー4WD車5選
現在のSUVブームよりもはるかに大きい規模だったRVブームの頃、各メーカーからクロスカントリー4WD車が数多く登場しました。そこで、当時、販売されていたユニークなクロスカントリー4WD車を5車種ピックアップして紹介します。
主流ではなかったものの、イカしたクロスカントリー4WD車を振り返る
近年、日本だけなく世界的に好調なセールスを続けているクルマといえばSUVですが、1980年代の終わりから1990年代にかけて、いま以上にSUVが売れていたRVブームがありました。
RVブームの頃は各メーカーから本格的なクロスカントリー4WD車が販売されており、なかでも人気があったのが三菱「パジェロ」や日産「テラノ」、トヨタ「ハイラックスサーフ」「ランドクルーザー」などです。
一方、決してシェアは高くありませんでしたが、ユニークなモデルも存在。
そこで、王道ではないクロスカントリー4WD車を5車種ピックアップして紹介します。
●三菱「デリカスターワゴン」
現在、販売中の三菱「デリカD:5」の先祖にあたるのが1BOXバン・ワゴンの「デリカ」シリーズです。
なかでも1986年に登場した2代目「デリカスターワゴン」の4WDモデルは、グリルガードを備えた本格派のデザインで、ボディは軽量化や剛性アップが図られたモノコックボディを採用し、一気に性能アップを図りました。
エンジンは2リッターガソリンや、2.5リッターターボディーゼルエンジン、2.4リッターガソリンが搭載され、さまざまなニーズに対応。
1989年には4WDモデルにハイルーフ仕様を設定し、広々とした室内だけではなく、ルーフをガラス面で覆った、世界初の電動サンシェードを持つ「クリスタルライトルーフ」が装備されました。
1990年8月のビッグマイナーチェンジでは、外観デザインの大幅な変更や、クラス初となるプロジェクターヘッドランプの採用と、上質感の高いインテリア仕様とした「デリカ スーパーエクシード」が追加されました。
「デリカ」を求める層は、若者よりもアウトドア好きのファミリー層であり、1BOXタイプのRVとして一時は高い人気を誇りましたが、よりミニバンに近いモデル「デリカスペースギア」と併売されつつも、ベースのデリカバンとともに1999年に国内生産を終了しました。
●ダイハツ「ラガー」
2019年11月に発売されたコンパクトSUVのダイハツ「ロッキー」は、かつて販売していた本格的なクロスカントリー4WD車の名前を踏襲しています。
そして、さらにもう1台のクロスカントリー4WD車「ラガー」がありました。
ラガーは1984年に、ジープタイプの4WD車「タフト」の後継車としてデビュー。ラダーフレームのシャシに前後リーフリジッドサスペンションという、クロスカントリー4WD車の王道のレイアウトを採用しています。
エンジンは全車2.8リッター直列4気筒OHVターボディーゼルで、トランスミッションは5速MTのみを設定。
ボディタイプは全車3ドアで、車体後部が幌の「ソフトトップ」、同じくFRP製の「レジントップ」、すべてステール製の「ハードトップ」をラインナップ。
なお、初期のモデルは全幅が1.6mにも満たないコンパクトなボディでしたが、車重は1.5トンもありました。
1995年には生産を終了していますが、欧州など海外向けは継続して生産され、2002年に廃止されました。
●ホンダ「ジャズ」
1990年代、ホンダは自社でクロスカントリー4WD車を生産しておらず、RVブームを傍観するしかありませんでした。
そこで、ホンダは他社とOEM供給の契約を締結し、その1社のいすゞから「ミュー」と「ビッグホーン」の供給を受けることになりました。
ホンダではミューが「ジャズ」、ビッグホーンが「ホライゾン」という車名で販売され、なかでもジャズは2ドアのショートボディで、ユニークかつスタイリッシュなデザインが話題となりました。
エンジンは3.1リッター直列4気筒ターボディーゼルのみで、トランスミッションは4速ATと5速MTを設定。
外観は全幅1780mmのワイドボディと迫力あるブリスターフェンダーによる個性的なスタイリングとなっていました。
1995年に自社開発したクロスオーバーSUVの初代「CR-V」を発売すると大ヒットを記録し、ジャズは1996年に販売を終了します。
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