出来は良かったけど残念な結果に!? 高評価ながら後が続かなかった車5選

志が高かった2台のコンパクトカーとは

●ダイハツ「ソニカ」

ほかには無い軽スペシャリティカーを目指した「ソニカ」
ほかには無い軽スペシャリティカーを目指した「ソニカ」

 2006年に発売されたダイハツ「ソニカ」は、優れたデザインと静粛性、走行性能を追求したモデルです。

 若いカップルをターゲットとして開発され、搭載されたエンジンは最高出力64馬力を発揮する660cc直列3気筒ターボで、余裕ある走りを実現します。

 当時はすでにトールワゴンが主流となっていましたが、1470mmに抑えられた低い全高によるスタイリッシュなフォルムも斬新でした。

 また、ボディの各所に風切り音やロードノイズを低減させる技術を採用し、静粛性を向上。

 さらに、ドアの解錠や施錠、エンジンの始動と停止が可能なキーフリーシステムや、一部グレードには花粉除去モード付きのオートエアコン、セキュリティアラームが採用されるなど、まさに軽自動車のスペシャリティカーを目指した仕様です。

 しかし、品質は高く評価されていたものの、ソニカの販売は低迷。発売からわずか3年後の2009年に販売を終了し、後継車はありませんでした。

●トヨタ「iQ」

トヨタが持てる技術が余すことなく投入された「iQ」
トヨタが持てる技術が余すことなく投入された「iQ」

 スマート「フォーツー」や、スズキ「ツイン」のような「マイクロカー」は2シーターのためユーザーが限られていましたが、トヨタは、マイクロカーながらも4シーターとした「iQ」を2008年に発売します。

 ボディサイズは全長2985mm×全幅1680mm×全高1500mmと、全長は軽自動車よりも400mm以上も短く、このなかに4つのシートを収めるために高い技術力が注ぎ込まれました。

 具体的にはiQ専用に設計されたトランスミッションによって、フロントタイヤをエンジンよりも前方に配置し、エアコンユニットも専用の小型モデルを開発したことで助手席足元の空間を確保。

 さらに、床下に燃料タンクを格納し、運転席と助手席のシートバックを極力薄型化することでリアの空間を確保して4シーター化を実現しました。

 これほどまでコンパクトな4人乗りモデルでは、衝突安全性の確保が懸念されますが、追突事故の際に後席の乗員を保護する世界初の「リヤウインドウカーテンシールドエアバッグ」を全車に標準装備するなど、iQにはトヨタの技術の粋が集められています。

 そしてiQのパッケージングは国内外で高く評価されましたが、快適に乗れる限界は大人3人と子ども1人だったようで、短距離移動では軽自動車の存在を超えることができませんでした。

 すでにマイクロカーの人気が高かった欧州では売れましたが、日本ではヒットしたとはいえず、2016年に一代限りで生産を終了しました。

※ ※ ※

 今回、紹介した5車種は、どれもコンセプトが明確で、個性的なモデルばかりです。しかし、なかには個性をあまり好まないユーザーも存在します。

 大ヒットしたクルマの多くは、奇をてらったようなデザインではなく、変化を最小限に留めようとしている印象がありますが、一方で、ユーザーの嗜好は時代によって変化するため、クルマも合わせて変わらなくてはならず、メーカーにとっては難しい選択を迫られることになるのです。

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