テレワークで新車開発!? コロナ禍で注目される米国で量産された430馬力SUVとは
一般的に新車の開発・製造にはさまざまな人の手が必要となりますが、アメリカで開発・販売された「ラリーファイター」は、“ほぼテレワーク”で開発されたSUVとして登場しました。新型コロナ対策でテレワークが国から強く要請されている状況ですが、新車開発という難しい仕事において、どのようにテレワークが実行されたのでしょうか。
テレワークで開発されたのは最高出力430馬力のスーパーSUV!
まるでコンセプトカーのような斬新なフォルムを持つ「ラリーファイター」というSUVがあります。アメリカのローカルモータースというベンチャー企業によって、2010年から2016年まで約70台が量産されました。
最大の特徴は、企画から開発までを、“ほぼテレワーク”でおこなった点です。新型コロナウイルス拡大防止のために国や地方自治体が強く要請しているテレワークですが、本当に“ほぼテレワーク”でクルマが出来てしまうのでしょうか。
ラリーファイターのボディサイズは、全長4800mm×全幅2057mm×1759mm、ホイールベースは2921mmと大柄です。車内は2+2として、前席を優先し後席は小さめな4人乗りです。
搭載されるエンジンは、ゼネラルモーターズ(GM)製の6.2リッターV型8気筒で最大出力430馬力を発揮します。変速機もGM製で4速オートマチックトランクミッションを採用しています。
車体構造は、ラリーカーのようなパイプフレーム構造で、エンジンを前輪軸と車室の中間に配置するフロンドミドシップとし、ドライバーとクルマとの人馬一体感を実現しています。サスペンションの作動量も大きく、高速での悪路走破性が優れています。
そんなラリーファイター構想の原点は、ネット上でのアイディアコンテストでした。
筆者(桃田健史)が最初にラリーファイターを見たのは、米ネバダ州ラスベガスで開催されたIT関連イベントです。
展示されていたローカルモータースのブースには、ラリーファイターのほか、小型の電動三輪車や、トヨタが主導して進めている車載OS(オペレーティング・システム)を活用したエンタメ系のソフトウェアなど、多様な分野での製品が並んでいました。
特徴は、これらの多くが「テストキット」と呼ばれるものであることです。量産化を目指し、世界各国から投資を募るために準備した、実際に作動する状態の試作品であり、つまり、ローカルモータースのビジネスモデルはクラウドソーシングだといえます。
だた、一般的なクラウドソーティングと違うのは、商品のアイディアをローカルモータースの数万人に及ぶ会員から募り、アイディアが採用された後も、プロジェクトに参加する人を会員のなかから募ることです。
そのため、テストキットに至るまでのプロセスは、“ほぼテレワーク”でおこなうことになります。
プロジェクトの参加メンバーには、量産品の売り上げのなかからロイヤリティとして報酬が支払われる仕組みです。
ロイヤリティの割合について、ローカルモータースは公開していませんが、ラリーファイターの総売上額は、1台当たり約10万ドル(約1080万円)で70台として、7億5600万円となります。
大メーカーの試作車より少ないのを量産車ってくくりでいいのかね。
ハリウッドTFで畑走ってたのってこんなのだったような