なぜ「ご当地マンホール」広まる!? 日本全国で設置される理由とは
近年、街中に設置されているマンホールに独自のデザインを施す、「ご当地マンホール」が増えています。なかでも、漫画やアニメのキャラクターを採用したマンホールは観光名所になるほどの人気ぶりです。なぜ、ご当地マンホールは全国に広まっていったのでしょうか。
実は都内にも? 有名アニメキャラが描かれたマンホールたち
日本中どこにでも設置されているマンホール、ひと昔前はシンプルな鉄の蓋といったイメージがありましたが、現在はキャラクターものや名所をデザインされたご当地マンホールが日本中で広まっているようです。今回は、誰もがつい足を止めてしまいたくなるような、珍しいご当地マンホールを紹介します。
秘かなブームとなっているマンホールには、専門のwebサイトやSNSで広く拡散されるほど人気があり、はるばる遠方からご当地マンホールの写真を撮影しに足を運ぶ愛好家も多いそうです。そのなかでも、キャラクターものは作品のファンの間でも話題となっています。
福岡県北九州市に設置されているご当地マンホールには「銀河鉄道999」などのアニメキャラクターがデザインされています。
これは、北九州市下水道事業100周年を記念して作られてもので、漫画家である松本零士氏によってデザインされたものです。
小倉駅東側公共連絡通路の入口には、ご当地マンホールのデザインと設置場所が印されたマップがあり、どこに行けばマンホールを発見できるのか一目で確認できます。
合計10枚のデザインがあるマンホールのなかでも、一番人気はやはりメーテルが描かれたデザインのようです。
メーテルの輝いた瞳でこちらを見つめているデザインは、銀河鉄道999ファンにはとても人気のあり、週末になると多くの人が足を止めているそうです。
また、静岡県静岡市清水区に設置されているご当地マンホールには「ちびまる子ちゃん」がデザインされています。原作者であるさくらももこ氏の出身地とアニメの設定舞台ということで設置されました。
設置個所は2か所あり、ひとつはJR清水駅からすぐのタクシー乗り場付近で、ピンクの服と帽子が特徴のまるちゃんが富士山をバックに描かれています。
ふたつめは新静岡駅からJR静岡駅に向かう途中の「セノバけやき口前」に設置され、黄色の帽子と白い服を着たまるちゃんが富士山と茶畑をバックに描かれています。
ほかにも、鳥取県北栄町に設置されているご当地マンホールには「名探偵コナン」がデザインされ、作者である青山剛昌氏の出身地ということで、特別にデザインされたマンホールです。
この地域で毎年開催されている「すいか・ながいも健康マラソン大会」にコナン君が参加している設定のデザインで、一緒に走っているのは街の特産品である「大栄すいか」と「砂丘ながいも」をモチーフにしたキャラクターとなります。
設置場所は、JR由良駅(コナン駅)近くのコナン通りにあり、コナンのオブジェとともに設置されています。ほかにもコナン駅近くの図書館内に、コナン君が探偵の格好をしているデザインのマンホールも設置されているようです。
なぜ各地域にご当地マンホールが設置されるようになったのでしょうか。ご当地マンホールについて、日本水道新聞社は次のように話します。
―――ご当地マンホールはいつ頃から始まったのでしょうか。
デザインの始まりは、1977年に沖縄県那覇市の設置されたマンホールが初めてといわれています。1970年代半ば、当時の建設省下水道部の担当者より、下水道事業を市民にアピールするために、マンホール蓋にデザインを施して欲しいとマンホール蓋メーカーに要望があったのがきっかけです。
全国的に各市町村で独自のオリジナルデザインマンホールが検討され、設置が開始されました。1986年12月には、日本下水道協会による「下水道マンホール蓋デザイン審査会」が開催され、全国1000点のなかから20点が選ばれました。
その後、各自治体などでマンホールデザインの採用が増え、各地の特色や自治体の花・木・鳥などが描かれたマンホール蓋が多く設置されるようになったのです。
―――地方自治体がご当地マンホールを設置する理由を教えてください。
各自治体では、地元のPRと下水道事業の広報のため、多くのカラーマンホールを作製するようになりました。マンホール蓋はほかの観光資源と違って、街中を散策しながら見ることができます。また、直径60cmの蓋に地域の魅力が凝縮されていることも、多くのファンを惹きつけています。
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