「007」の劇中車にGT-R、グッドウッドで出会ったレアなスーパーカー3選

注目! ここでしか見られなかった「007」にゆかりのある2台を目撃!

 グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの会場はあまりにも広大ゆえに、どこがメイン会場というのは定め難いが、一応はメインステージともいうべき古城(グッドウッドハウス)前の広場に足を運ぶと、まず目に飛び込んでくるのは巨大モニュメントだ。

 毎年、メインフューチャーされるブランドをモチーフとしたオブジェが設置されるのが慣習となっているのだが、この2018年は創立70周年を迎えたポルシェが、高さにして52メートルという塔の最上部に、歴代レーシングモデル(おそらくは1/1スケールモデル?)を載せた巨大タワーを建設した。

●アストンマーティン・プロジェクト・ヴァンテージ

アストンマーティン・プロジェクト・ヴァンテージ
アストンマーティン・プロジェクト・ヴァンテージ

 その傍ら、イベント出展者である各自動車メーカーやパーツサプライヤー、スペシャルショップにチューナーなどが、自社の歴史と未来を提示するために展開するモーターショー並みの大規模ブースも見逃せない。

 そんななか、筆者が最も興味を惹かれたのが、この2018年に25周年を記念して特別開催されたという「フェスティバル・オブ・スピード25周年」を祝うスーパーカー展示だった。

 それまでの25年の歴史を記したボードとともに、アイコニックなスーパーカーを発表年別に展示するというものである。

 ここでまず紹介したいのは、アストンマーティンが現在の隆盛を取り戻すきっかけとなった歴史的傑作であるとともに、2002年に公開された映画「007ダイ・アナザー・デイ」にもピアーズ・ブロズナンとともに出演した「V12ヴァンキッシュ」のように見える一台だ。

 実はこのクルマはヴァンキッシュではない。生産型のそれとは異なるドアミラー形状や、何より解説ボードが示すように、実は1998年に開発・発表されたコンセプトカー「プロジェクト・ヴァンテージ」なのだ。

 プロジェクト・ヴァンテージは、のちのヴァンキッシュに近いアルミフレームにカーボン+ハニカム・アルミのボディを組み合わせ、当時アストンの親会社であったフォードの技術開発部門「Advanced Vehicle Technology (AVT)」が開発した、V型12気筒エンジンを搭載し、最高速度200mph(約320km/h)超えの超高性能を標榜して開発された。

 2018年のデトロイト・ショーで初公開された直後から、世界中のスーパーカーファンを熱狂させた結果、2001年にV12ヴァンキッシュとして正式リリースされた経緯がある。

●ジャガーC-X75

「007スペクター」にて敵役の劇中車として登場したジャガー「C-X75」
「007スペクター」にて敵役の劇中車として登場したジャガー「C-X75」

 そして、ここで紹介したいもう一台も、007シリーズに深い縁のあるクルマだ。2015年公開の「007スペクター」にて、ダニエル・クレイグの乗るアストンマーティン「DB10」と熾烈なカースタントを展開した敵役「Mr.ヒンクス」の愛車ジャガー「C-X75」プロトタイプである。

 2010年に発表された初代は、当初の計画では小型ガスタービンで発電し、4輪に配置されたインホイールモーターを駆動するという、少々荒唐無稽なEVスーパーカーだった。

 しかし、のちに生産化を見越した現実的なプラグイン・ハイブリッドへと方針転換。翌2011年には、F1GPの名門コンストラクターとして知られる「ウィリアムズ アドバンスド エンジニアリング」社との共同開発が発表された。

 この時に製作・発表された二次試作車は、1.6リッターの直列4気筒エンジンをミッドシップに搭載。小排気量ながら10000rpmという超高回転を可能とするこのエンジンは、さらにターボとスーパーチャージャーを装着することで502psを獲得。そして、一基で390psを発生する電動モーターとの組み合わせによって、PHEVシステムの総出力は850psに到達していた。

 この二次試作車は5台がテスト用に製作された。その役割を終えたのち3台はオークションにて販売されている。また、007スペクターの製作側からのオファーにより、ジャガーとウィリアムズは、よりコンベンショナルなシャシーにV8ガソリンエンジンを搭載する、スタント専用車両を新たに製造したとされている。

 この年のグッドウッドFoSに現れたジャガーC-X75には、どの車両であるかの表示はなかったものの、「2013」という製作年次からして、007スペクターに製作された3台の実走可能なスタントカーのひとつと思われた。

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