サイズ、パワー共にベストなクルマ!? 1.6リッター高性能コンパクトカー5選

意外と知られていないダイハツの1.6リッターホットハッチとは!?

●三菱「ミラージュ サイボーグR」

派手さは無いが実力は折り紙付きだった「ミラージュ サイボーグR」
派手さは無いが実力は折り紙付きだった「ミラージュ サイボーグR」

 現行型の三菱「ミラージュ」は初代から数えて6代目にあたり、新興国向けエントリーカーとして開発されたため、スポーティなグレードは存在していません。

 しかし、歴代のミラージュのなかには、高性能エンジンを搭載したモデルが存在しました。

 1991年に発売された4代目ミラージュに、翌1992年、ホンダのVTECに対抗すべく、「4G92型」1.6リッター直列4気筒の「MIVEC」エンジンを搭載した「ミラージュ サイボーグR」が追加されます。

 三菱が開発したMIVECはVTECと同じく可変バルブタイミングリフトシステムで、4G92型の最高出力は175馬力を誇り、モータースポーツの世界でシビックSiRの対抗馬になりえました。

 そして、実際のレースでもシビックを相手に善戦し、とくにアマチュアや学生が参戦していたジムカーナでは、好成績を残しています。

●ダイハツ「シャレード デ・トマソ」

イタリアンホットハッチを彷彿とさせた「シャレード デ・トマソ」
イタリアンホットハッチを彷彿とさせた「シャレード デ・トマソ」

 1977年に発売されたダイハツ「シャレード」は、1リッター直列3気筒SOHCエンジンを搭載した新世代のコンパクトカーです。

 オイルショックという時代背景もあり、軽自動車に近い車両価格や、低燃費なエンジンを搭載したことで大ヒット。

 そして、1981年の第24回東京モーターショーに、ダイハツと提携契約を結んだイタリアのチューナーであるデ・トマソが監修した「シャレード デ・トマソターボ」が参考出品されると好評を博し、1984年に2代目シャレードをベースにしたシャレード デ・トマソターボを発売。

 3代目では一旦シャレード デ・トマソが途絶えますが、1993年に発売された4代目で復活し、これまで1リッターターボだったエンジンは、新開発の1.6リッター直列4気筒自然吸気にアップデートされました。

 最高出力は125馬力とハイパワーなユニットではありませんでしたが、小型かつ900kg(5速MT)という軽量な車体に、ハードなスプリングとダンパーが組み込まれたストラット式4輪独立懸架や4輪ディスクブレーキ、車体剛性のアップなどのチューニングにより、高い運動性能を発揮。

 さらに、専用のエアロパーツや、ピレリタイヤ、ナルディ製ステアリング、レカロ製スポーツシートなどの装備によって、スポーツマインドあふれるコンパクトカーに仕立てられています。

※ ※ ※

 今回、紹介した5車種のなかでシャレード デ・トマソ以外のモデルは、すべてモータースポーツに深い関わりがあります。

 そもそも、1.6リッターという排気量は自動車税の区分からすると中途半端な存在ですが、モータースポーツの世界ではクラス分けの基準のひとつです。

 モータースポーツに参戦することで1.6リッターエンジンの高性能化が飛躍的に進みましたが、現在はメーカーのレース活動縮小や、レースそのものが消滅してしまったことで、1.6リッターエンジンは激減してしまいました。

 なお現在、国産メーカーで自然吸気の1.6リッターエンジンを展開しているのは、スバル、日産、スズキで、トヨタが2020年夏に発売する「GRヤリス」に、272馬力を誇る1.6リッター直列3気筒ターボエンジンが搭載されますが、もはや国内では少数派です。

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