新車の「消えないライト」が急増… 相次ぐ義務化で夜間のカーライフに変化あり?

ひと昔前まで、ヘッドライトは「自分でつけるもの」でしたが、最近ではオートライト機能やデイライトを搭載するクルマが増えてきました。義務化されることに伴って、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

オートライト義務化でライトが消せなくなる?

 クルマのヘッドライトを自動点灯する「オートライト」が2020年から義務化されます。ひと昔前まで、ヘッドライトは「自分でつけるもの」でしたが、最近ではオートライト搭載車が増えてきました。義務化に伴ってどのような変化があるのでしょうか。

オートライトやデイライトの義務化は安全のため
オートライトやデイライトの義務化は安全のため

 2016年10月に、道路運送車両の保安基準が改正され「オートライト機能」の搭載が義務化されました。

 実際に適用される時期は、新型車が2020年4月以降から、継続生産車が2021年10月からとなります。また、定員11人以上のバスなどの乗用車や、車両総重量3.5t超のトラックは、新型車が2021年4月から、継続生産車が2023年10月からとなっています。

 そもそも「オートライト機能」とは、どのような機能なのでしょうか。日産販売店のスタッフは、以下のように話しています。

「オートライト機能は、クルマのヘッドライトを自動的にオン・オフしてくれる機能です。昼間など明るいときは消えていて、夕暮れどきなど、周囲が薄暗くなると自動的にヘッドライトが点灯します。

 また、オートライト機能は、日中でも雨が降ったり、悪天候で暗い場合に点灯することもあります。日産のクルマでは、『デイズ』のほかにも、『セレナ』に同様のオートライト機能があります」

 オートライト機能は、日中でもヘッドライトがつきっぱなしになるのではなく、ライトのオン・オフを自動的におこなってくれるものだということがわかります。

 実際に、日産の軽自動車「デイズ」のウインカーレバーを確認してみると、今まであった「OFF」が無くなり、一番最初に「オート」が存在。次に、「ポジションランプ(車幅灯)」「ヘッドランプ」のスイッチがあり、どのポジションであっても「ライトは必ず点灯する構造」へと変わっているのです。

 一見するとライトの付け忘れを防止できる便利な機能と思えますが、オートライト機能の義務化によって、生じる問題もあるようです。キャンプを趣味にしている会社員の男性は、以下のように話しています。

「キャンプ場や道の駅で車中泊をすることもあるので、オートライトが義務化されると『光害』が心配です。

 今は、エンジンをかけていてもヘッドライトやポジションライトを消すことができるのですが、新しいクルマだと『デイライト』のような、ライトがオフの状態でも点灯するものがあるので困ります」

 キャンピングカーのような発電機を持たないクルマでは、エアコンを使う場合はエンジンをかけなければバッテリーが上がってしまいます。そのため、車中泊をする際にエアコンを使う場合はエンジンもかける必要がありますが、オートライト機能が義務化されることで、停車中にエンジンをかけていると自動的にライトも点灯していまいます。

 オートからポジションライトにすることでヘッドライトを消すことはできますが、それでも点灯してしまうことに変わりはありません。

 また、近年は「デイライト」を装備しているクルマもあります。その場合、スイッチがオフの位置でもエンジンをかけてれば常にデイライトが点灯するため、近年のクルマは「完全にライトを消すこと」が難しくなっているといえるでしょう。

 デイライトとは、「デイタイムランニングランプ(昼間走行灯)」とも呼ばれ、国土交通省の「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」によれば、光度は1440カンデラ以下であることとされています。

 Appleのスマートフォン「iPhoneX」の液晶画面が、最大輝度625カンデラとされていますので、デイライトはその2倍以上の明るさになり、クルマのデイライトの発光部分はスマートフォンよりも大きいため、かなりの明るさになると想像できます。

※ ※ ※

 国土交通省の改正概要によれば、オートライト機能について「自動点灯に係る機能については、手動による解除ができないものでなければならないこととします」とされています。

 そのため、これまでライトを消灯して路上駐車などをしていたユーザーにとっては、エンジンを始動させたまま冷暖房を使っているとライトが点灯するため、周囲から注目されることもあり、不要な路上駐車が減るかもしれません。

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