首都高・横浜北西線が開通! 工期が2年も短縮できた理由とは

横浜北西線の工期短縮に大きく貢献した「PI方式」とは

 横浜北西線では、構想段階(2003年から2005年)からPI(パブリック・インボルブメント)方式によって、周辺住民に意見を聞きながら道路計画を進める方式を採用しました。

 関係者によると、PI方式が導入された背景として、横浜北西線につながる横浜北線(2017年開通)においては、素案説明から事業に着手するまで約15年という長い時間がかかってしまったこともあり、横浜北西線では計画づくりの初期段階から市民に参画してもらう方法を取ったとのことでした。

 その一例としてまずは、第三京浜港北ICと東名横浜青葉ICを結ぶルートに関して鶴見川の地下を通る案や、横浜上麻生線に高架を作る案、農業専用地区の地下を通る案など7つのルートを市民の意見を踏まえて決めたそうです。

 なお、横浜北西線の起点となる青葉JCT近辺には広大な農業専用地域があり、高架を作った場合の日照の影響も重要な課題でした。

首都高速K7横浜北西線とその周辺道路
首都高速K7横浜北西線とその周辺道路

 首都高速道路株式会社広報課ではPI方式の効果を以下のように話しています。

「計画の早い段階から市民の皆さまに情報開示をおこない、より良い道づくりのために利用者の視点から市民の皆さまのニーズを確認し、計画的に反映したいと思って導入しました。

 横浜市と首都高速が早い段階から理解を得ながら進められたことが功を奏したと思っています」

 なお、周辺住民からの具体的な要望としてもっとも多かったのは「早く開通させてほしい」ということだったそうです。

 それではもうひとつの工期短縮の理由についてはどうでしょうか。こちらも首都高速道路株式会社広報課に聞きました。

「横浜北西線は全長7.1kmのうち約4.1kmがトンネルとなっています。シールドマシンを使って土の中を掘りながら、同時に掘った部分が崩れないようブロックのような壁を作りながら掘り進めていくシールド工法でトンネルが作られていったため、とても早く掘り進めることができました。

 また、通常のシールド工法の場合、トンネルを掘り終わったあとに防災設備や照明などの付帯設備を設置していくのですが、横浜北西線ではとにかく早期の開通を望む声が多かったため、トンネルを掘り、壁を作るという作業と、防災設備などの付帯設備を一緒に作っていく工事を同時進行でおこないました。

 横浜市の多大な協力と理解もあって工期短縮が実現した部分も大きいです」

 横浜市との共同事業として進められた横浜北西線。首都高初めてのPI方式と画期的な新工法によって、各段に早い開通が実現しました。

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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