クルマの走行距離の限界は? 90万キロ超のクルマも実在!? 自動車の寿命っていったいいつ?
「走行距離が10万kmを超えたらクルマを買い換える」というように、日本では車の寿命を走行距離で判断することが一般的となっています。では、何万キロ走ると、クルマは本当の寿命を迎えるのでしょうか。
走行距離10万キロは、まだまだ現役選手?
クルマを新車で購入して、1年間1万キロ、10年間で10万キロを走行したら次のモデルに買い換えるというふうに、日本では走行距離でクルマの寿命を判断することが一般的でした。

クルマも機械である以上、適切なメンテナンスと部品交換をおこなえば走り続けることが可能です。では、走行距離で判断することのできない「クルマの本当の寿命」は、いったいどれくらいなのでしょうか。
過走行のクルマの整備を多数手掛ける、ある自動車工場のスタッフは、クルマの寿命について以下のように話しています。
「一般的には、10万キロや15万キロも走ると『もう寿命かな』と買い替えを考える人が多いと思いますが、商用車では20万キロや30万キロの走行距離は珍しくありません。
商用車はほぼ毎日使いますから、走行距離は伸びていきます。でもその分しっかりメンテナンスをしているので、週末にしか動かさない乗用車よりも、機械としての状態がいいクルマも少なくないのです。
もちろんトラックやダンプカーのように重たい荷物を長時間運ぶクルマだと、エンジンや車体がダメになることはありますが、毎日乗って、しっかりメンテナンスしているクルマの方が、乗らないままにしておくクルマよりもずっと調子が良いです」
この自動車工場で整備している個人タクシーには、走行距離が40万kmに達するトヨタ「クラウン」もあるそうです。
そうしたクルマは、日時や天候に関係なく走行するため、サスペンションの部品である「ブッシュ」や、フロントガラスの「ワイパー」といった消耗品の交換が多いといいます。
しかし、それほどの走行距離を走っていてもエンジンは壊れないのでしょうか。茨城県で中古車の販売を営んでいる男性は、以下のように話しています。
「適切なサイクルでエンジンオイルを交換していれば、エンジンが壊れることはまずありません。ただ、エンジンオイルは人間にとっての血液のようなものですので、交換を怠ると致命的なトラブルにつながることもあります。
エンジンオイルをマメに交換してあげれば、少なくとも国産車のエンジンは壊れることはありません。私の知り合いは、1980年代に新車で購入したクラウンを未だに乗り続けていますが、走行距離は50万キロで一度もエンジンを交換していません。
ただ、部品交換となっても新品の部品が購入できないため、『壊れたら最後』でもあります。そういう意味では、クルマの寿命とは『部品が出なくなったとき』なのかもしれないです」
クルマは、自動車メーカーが販売しているものの、ひとつひとつの部品は国内外の自動車部品メーカーが製造しています。
マークラインズ株式会社の調査によれば、2018年度のサプライヤー(自動車部品メーカー)の売上高ランキングにおいて、上位5社はドイツ「ボッシュ」「コンチネンタル」「ZF」、日本の「デンソー」、カナダ「マグナ」となっています。
日本には、多くの自動車メーカーと自動車部品メーカーが存在しますが、走行距離の多いクルマに乗り続けられるのは、クルマを作り、部品を供給し、そして修理できる、「自動車産業の強さ」があるのかもしれません。
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中古車サイトでは、走行距離91万キロのトヨタ「ハイエース」も販売されているほどです。商用車などの働くクルマにとって、走行距離10万キロは「折返し」ではなく、「まだまだこれから」だといえます。














