唯一無二! ロータリーエンジンのバスがあった!? 高性能エンジンを搭載した珍車3選
毎年、何台もの新型車が発表されますが、開発がスタートしたにも関わらず後に凍結され、発売されなかったモデルも存在します。そこで、発売まで秒読みだったはずが、幻となったクルマを3車種ピックアップして紹介します。
高性能エンジンを搭載した珍しいクルマたち
高性能なエンジンというと、スポーツカーなど見るからに速そうなクルマに搭載されるのが一般的です。
しかし、スポーツカーとはいい難いクルマに、高性能エンジンを搭載したケースも存在。
そこで、ハイパワーなエンジンが似合わないクルマを3車種ピックアップして紹介します。
●日産「アベニール GT4」
日産「アベニール」は1990年に発売されたステーションワゴンです。初代は比較的オーソドックスなスタイルのワゴンでしたが、1998年に発売された2代目では、よりスタイリッシュなデザインに変わります。
このアベニールには、「パルサーGTI-R」や「シルビア」などに搭載され、名機といわれた「SR20DET型」エンジンと、フルタイム4WDシステム「アテーサ」を組み合わせて搭載した「アベニール GT4」がラインナップされていました。
アベニール GT4のSR20DET型エンジンは2リッター直列4気筒ターボで、最高出力は230馬力を誇りました。
当時の日産はSR20DET型エンジンを、同じくステーションワゴンの「ルネッサ」、ミニバンの「プレーリーリバティ」にも搭載するなど、高性能グレードを拡充。
ステーションワゴンやミニバンに高性能エンジンとフルタイム4WDという組み合わせは、ほかにはないユニークなものでしたが、トランスミッションは4速ATのみとなっており、スポーティさという点では中途半端な印象です。
しかし、どのモデルも後の車種整理によって消滅し、後継車では高性能版は設定されなかったため、いまとなっては貴重なモデルではないでしょうか。
●三菱「ブラボー MZ-G」
現在、日本でもっとも売れている軽ハイトワゴンが登場する以前、軽自動車のワゴンといえばワンボックスタイプの商用バンをベースにしたものが主流でした。
この三菱「ブラボー MZ-G」も商用バンの「ミニキャブ」をベースにしたモデルで1991年に発売されました。
ブラボー MZ-Gに搭載されたエンジンは、64馬力を発揮する直列3気筒DOHC15バルブターボです。
3気筒15バルブということは1気筒あたり5バルブ。これはF1のエンジンにも採用された手法で、吸気バルブを3本、排気バルブを2本とすることで多くの空気をエンジンに取り込むことができ、高回転化にも有利になります。
これまで市販車で5バルブエンジンを採用したのは、国産メーカーでは三菱とトヨタ、ヤマハのみで、海外ではフェラーリとフォルクスワーゲン、アウディくらいです。
軽ワンボックスワゴンに高性能エンジンが搭載された理由としては、単純に当時の三菱は軽自動車の高性能グレードに5バルブエンジンを搭載するのが通例となっていたことが挙げられ、「ミニカ」「パジェロミニ」「タウンボックス」などにも搭載されていました。