ミニバンはなぜスライドドアばかり? 多様化するニーズに応え続けたミニバン30年史
「スライドドア」はもともと貨物車のものだった?
スライドドアが登場したのは、今から50年以上も前にさかのぼります。
はじめて日本車にスライドドアが採用されたのは、1964年に発売された3代目ダットサン「キャブライト」だといわれ、「荷物の載せ降ろしがしやすい」「開口部が大きい」などのメリットから、トヨタ「ハイエース」やマツダ「ボンゴ」などの商用車に採用されていきました。
ミニバンブーム到来前となる1980年代から1990年代初期になると、商用車をベースにしたトヨタ「タウンエース」や、日産「セレナ」など、後席にスライドドアを装備した乗用車が登場。こうした初期のミニバンは、商用車で使われていた後席のスライドドアを、そのまま乗用車に流用した例といえます。
ベースが商用車であるため、子どもにはスライドドアが重くて扱いづらいという問題もあったようです。ある中古車店のスタッフは、以下のように話しています。
「最初の頃のミニバンは、今のミニバンとは全然使い勝手が違います。キャブオーバーといって、エンジンが運転席の下にあったりする車種も多かったので、座席位置が高くなって乗り降りが大変なクルマもありました。後席のスライドドアも動きが渋かったりして、結構力が必要だったものです」
今では当たり前となった、パワースライドドアですが、このシステムは2001年に、トヨタグループの企業であるアイシン精機株式会社によって発表されました。
同社は現在、車用スライドドアである「パワースライドドアシステム」で、世界トップクラスのシェアを誇る自動車部品メーカーです。
それまでのパワースライドドアは、主要部品がドアの外に設置されており、そのぶん車内の空間が狭くなっていました。アイシン精機はこの問題を解決するため、すべての主要部品をドアのなかに内蔵するという構造にしました。
商用車からはじまったミニバンは、約30年経った今でも人気のジャンルといえます。
ラフェスタで後部ヒンジドアが採用されたことはないですけど。ちゃんと確認して記事かきましょうね。
このたびはご指摘いただき、誠にありがとうございます。
一部修正いたしました。