高級車が安く買える!? 新車と中古で価格差が大きい理由
新車価格が1000万円を超えるようなクルマのなかには、中古車になると驚くほど安い価格で販売される車種もあります。新車と中古車で大きな価格差があるのは何故なのでしょうか。
価格差がある理由とは?
新車では、とても手が届かない価格のクルマでも、中古車になると「ひょっとしたら買えるかもしれない」という現実的な価格になることがあります。
高級車の代名詞ともいえるメルセデス・ベンツでは、現行型「Sクラス」は新車価格が1192万円であるのに対し、前出のサイトでは、同型のSクラスが300万円代で売られているのです。
一方で、現行型トヨタ「プリウス」では、新車価格256万5200円に対し、中古車価格は90万円台からとなっています。
価格差を比較すると、プリウスの中古車価格が新車価格の約35%であるのに対し、Sクラスでは約25%まで下がっています。高級車になるほど、なぜ価格差が生まれるのでしょうか。
軽自動車から高級車までさまざまな中古車を扱う販売店のスタッフは、購入層の違いが要因だと、次のように説明します。
「ある程度の高級車を購入される人は、『新車で買うこと』に意味を見出している人がいます。つまり、新車で高級車を購入する人は、次も新車で購入するのです。
一方で中古車となった高級車を購入する人は、一概にはいえませんが新車で購入できない人が購買層になりえます。その結果、ある程度まで手が届く範囲に価格を下げて販売することも考えられます。
また、購買したものの維持できず手放すこともあり、所有が複数人になるほど価値が下がることも新車価格との差の要因といえるかもしれません」
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高級車のなかには、ドライバーが運転を楽しむためのものではなく、後席の人が快適に過ごすことに重点を置いた「ショーファードリブンカー」というクルマもあります。
「ショーファー」とは「お抱え運転手」を意味し、そうしたクルマも中古車価格が低くなる傾向にあるようです。前出の中古車販売店のスタッフは、以下のようにも話しています。
「価格が下落する高級車は、もともと個人が自分で運転するクルマではない車種が多いです。そのため、トヨタの『センチュリー』や、日産の『プレジデント』などの高級車は、中古車市場では買い手が少ないのです。
どちらもエンジン排気量が大きいので、税金だけでも普通のクルマの倍近くになります。車検整備も高いうえ、部品交換が必要になった際にかかるお金などを考えると、『中古で買った価格よりも維持費の方が高くなった』というパターンに陥ることも少なくありません」
高級車は、「高級」ならではのさまざまな問題があり、乗用車としては使い勝手が悪い部分もあるようです。中古車価格が下がる原因には、「普通の人では扱えない」という理由もあるのかもしれません。
「Sクルマ」ってなんですか?
このたびはご指摘いただき、誠にありがとうございます。
一部修正いたしました。