日本なぜ未発売? 新型SUVやスイフトセダン… シェア50%超!スズキがインドで強い理由

スイフトにセダンがあった!?

 デリーの街では、ワゴンRと同じくらいの頻度で見かけるのが「ディザイア」と呼ぶセダン。日本では聞きなれない車名ですが、クルマ好きであれば姿を見ればピンとくる人もいることでしょう。単刀直入にいえば「スイフトのセダン」です。

日本市場には設定されていないスイフトのセダンモデル「ディザイア」
日本市場には設定されていないスイフトのセダンモデル「ディザイア」

 現行モデルの発売は2017年5月。エンジンは1.2リッターガソリンと1.3リッターディーゼルを展開し、トランスミッションは5速MTと5速シングルクラッチ(AMT)が選べます。

 車体サイズは全長3995mm×全幅1735mm。車幅は日本の基準でいえば「3ナンバーサイズ」ですが、全長はわずか4m弱。実はこの全長がポイントで、インドでは4mを下回る車両は税制面などで大きな優遇があるので4mに収めているのです。日本でいう軽自動車枠のようなものと考えると理解しやすいでしょう。

 このディザイアも人気が高く、インドのセダンマーケットにおいては10年以上にわたり最量販モデル。2008年のデビュー以来、累計販売台数は200万台を超えています。

 そのほかAセグメントモデルの「エスプレッソ」、BセグメントSUVの「ヴィターラ ブレッツァ」など、マルチスズキは16モデルの乗用車を展開。

 ラインナップしている車種は日本とごく一部しか重なっておらず、ワゴンRのようにたとえ同じ車名でもクルマとしては別のクルマなのが興味深いところです。

 そしてここまでマルチスズキが現地で好まれる理由。それは当初から故障が少ないなど信頼性が高くブランドイメージか築かれていることに加え、現地のニーズを反映した日本向けとは異なる現地化したクルマ作りにあるといえそうです。

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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