日本なぜ未発売? 新型SUVやスイフトセダン… シェア50%超!スズキがインドで強い理由

スズキは、日本市場において軽自動車のイメージが強い自動車メーカーです。しかし、軽自動車という規格が存在しないインドでは、日本未導入のスズキ車が高い人気を誇っているといいます。スズキのインド専売車とは、どのようなものなのでしょうか。

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日本にも欲しいスズキのインド専売車とは…

 日本では、「ジムニー」や「アルト」、「ワゴンR」など軽自動車のイメージが強いスズキですが、インド市場では、普通車(日本の5ナンバー車や3ナンバー車)が高い人気を誇っています。日本独自の軽自動車がラインナップされないインドで、なぜスズキが売れているのでしょうか。

日本導入を熱望する声も聞かれるスズキのコンパクトSUV「エスプレッソ」
日本導入を熱望する声も聞かれるスズキのコンパクトSUV「エスプレッソ」

 インド国内の乗用車市場(SUVも含む)におけるスズキのシェアは、2018年度(2018年4月から2019年3月期)においては172万9826台を販売して51.2%を獲得。2019年度(同期間)のシェアも50.3%と過半数を占めています。

 それ以前をさかのぼってみても、2017年度は50.0%、2016年度は47.4%、2015年度は46.8%とほぼ5割で推移。2018年度にかけて年々シェアが上がっており、その人気の高さが伺えます。

 インドの自動車市場は世界第4位の規模ですが、そこでこれだけのシェアを得ているのだからスズキの凄さがわかります。そのため、インドで開催されるモーターショーでは、スズキが広いブースを展開しているのです。

 ちなみに現地では「スズキ」ではなく、「マルチスズキ」として展開。設立当初は事業をスズキ単独ではなく、国営企業との合弁会社としてスタート。現在は民営化されスズキの子会社として事業を進めています。

 では、そんなマルチスズキではどんなクルマが人気なのでしょうか。

 街中で多く見かけるのはワゴンRです。しかし、日本のワゴンRとは異なります。日本では、前述のとおり独自規格となる軽自動車(全長3395mm×全幅1475mm)です。

 しかし、インドのワゴンRは2019年1月にフルモデルチェンジした、最新の現地仕様(3代目)となり、日本仕様と同様に、最新プラットフォームの「HEARTECT(ハーテクト)」を使いつつ、全長3655mm×全幅1620mmひとまわり大きな車体で展開。

 いわゆるAセグメントに区分され、エンジンは自然吸気3気筒で1リッター/1.2リッターのガソリンエンジンが選べます。構造的には日本とインドで販売している「イグニス」に近いといえるでしょう。

 このワゴンRはベストセラーモデルで、1999年のインド投入以来、累計で約240万台以上を販売しています。街中ではまだ新型は珍しいですが、旧型をたくさん見かけます。

 インド市場向けのモデルについて、スズキ広報部は次のように話します。

「現地のニーズに合わせた車種開発をしており、『エスプレッソ』や『ディザイア』など日本では販売していないモデルも用意しております。

 日本の軽自動車アルトのプラットフォームをベースとした『エスプレッソ』のように、現地がデザインと設計を主導しながら、日印で協力して開発を進めたモデルも存在します。

 また、『スイフト』や『バレーノ』などについては、日本とインドのどちらでも販売しておりますが、インド仕様はスピードブレーカー(速度を落とすための段差)の設置といった道路状況を鑑み、最低地上高を日本モデルより高くするなどの違いがあります」

※ ※ ※

 例え、日本とインドで同じ車種を展開していても、現地ではインドの事情にあわせた設計になっていることも注目すべきポイントといえるでしょう。

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