トヨタ「ヴィッツ」から「ヤリス」で割高に? 初代から価格が上がるワケ

歴代ヴィッツも徐々に値段が上がっていった? その歴史とは

 新型ヤリスの価格について、決して高いとはいいきれないということがわかりますが、じつはヴィッツも初代モデルから3代目モデルにかけて価格帯が向上しています。

3代目「ヴィッツ」(マイナーチェンジモデル)。エントリーグレード「F“Mパッケージ”」の価格は120万3400円
3代目「ヴィッツ」(マイナーチェンジモデル)。エントリーグレード「F“Mパッケージ”」の価格は120万3400円

 1999年に発売された初代ヴィッツの発売当初の価格は83万円から138万円(消費税含まず)。2代目モデルでは設定のない3ドアモデルもラインナップされていました。

 その後、2005年に発売された2代目ヴィッツの発売当初の価格は105万円から159万6000円(消費税5%込)。そして、2010年発売の3代目ヴィッツの発売当初の価格は106万円から179万円(消費税5%込)です。

 一見するとクルマの高価格化が進んでいるように見えますが、中身を見るとそうとはいえません。

 例えば、2代目ヴィッツではトヨタで初めて55km/hに速度を上げて、2トンクラスの車両との全方位カーツーカー衝突試験をクリアした衝突安全ボディ「GOA」を採用。

 さらに新開発プラットフォームによって空間効率も向上したほか、新開発のサスペンションやブレーキ、さらに改良型のトランスミッションとなる新「Super CVT-i」を採用するなど、基本性能が向上しています。

 そして3代目ヴィッツでは、従来のシステムから大きく改良された新開発のアイドリングストップシステムを搭載。当時クラストップの低燃費となる26.5km/L(10.15モード)を達成するなど、時代が求める環境性能をさらに強化し、商品力に磨きをかけています。

※ ※ ※

 新型ヤリスと歴代ヴィッツの例に限らず、最近の新車価格が上がっている印象を持つ人も少なくありませんが、ただ価格だけが上がっているわけではありません。

 メーカーはより魅力ある商品を提供すべく、日々開発をおこなった結果といえるのです。また、近年は前述の「Toyota Safety Sense」のような運転支援システムなどによって価格が上がっているという事情もあります。

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