個性で勝負? SUV市場の競争激化で生き残りかけた各社の戦略とは

販売力ではなく、個性で勝負するマツダと三菱

 現在、国内市場で販売されるSUVの多くは、ガソリン車/ハイブリッド車です。そのなかで、ディーゼルエンジンやPHEVなどパワートレインでの個性を発揮しているのが三菱とマツダです。

 マツダのSUVには、「CX-3」、「CX-30」、「CX-5」、「CX-8」というサイズの異なる4車種がラインナップされ、全車でガソリン/ディーゼル、6速AT/6速MTを設定。

 一方の三菱は、「RVR」、「エクリプスクロス」、「アウトランダー」、「アウトランダーPHEV」をラインナップ。そのなかで、エクリプスクロスにはガソリン/ディーゼルを設定し、アウトランダーPHEVはその名の通り、プラグインハイブリッドシステムを搭載しています。

 トヨタのSUVでディーゼルを搭載しているのは、トヨタ「ランドクルーザープラド」「ハイラックス」とあまり多くはないです。

 マツダや三菱がディーゼルエンジンに力を入れる理由として、ディーゼルエンジンには「燃費性能に優れている」「低回転のトルクが強い」というメリットが存在します。年々厳しくなっている燃費規制への対応に加え、走りの良さを追求する理想のエンジンなのです。

 ディーゼルエンジンは燃費性能が良いというメリットのほか、燃料となる軽油はレギュラーガソリンよりも1リッターあたりの金額が安く、日々の燃料費を抑えることができます。

 ただし、近場だけの移動や長く所有する予定がない場合、新車購入時の金額はディーゼル車の方が高額になるため、比較的に長距離の移動が多く、買い替え頻度が少ない人に向いているクルマです。

 また、前述のとおり燃費に対する規制は年々厳しくなり、ディーゼルエンジンだけでは燃費性能の向上に限界があります。

ハイブリッド車やPHEV車では、外部給電が可能!
ハイブリッド車やPHEV車では、外部給電が可能!

 世界的に環境性能への意識が高まり、欧州ではCAFE規制という制度があり、販売する車両のCO2の排出量平均値の基準を達成しなければいけません。このCAFE規制は年々厳しくなっており、それらに対応するべく各メーカーはハイブリッドや電動化を積極的に進めてきたのです。

 SUV市場では、三菱のアウトランダーPHEVが電動化技術を生かしたクルマです。EV航続距離は65.0km/L(JC08モード)となり、EV走行時には電気自動車特有のリニアな走行を体感でき、ガソリン走行時には2.4リッターガソリンエンジンのパワフルな力強い走行性能を味わえます。

 また、近年流行っているアウトドアや車中泊、自然災害などにおける大規模停電時には、バッテリーの電気が使える100VAC電源(最大1500w)を標準装備。コーヒーメーカーやドライヤーなどを同時に使うことも可能です。

※ ※ ※

 SUV市場の販売台数では、ライズやC-HR、ヴェゼルといったコンパクトサイズのモデルや、RAV4のようなガソリン/ハイブリッドという選択できる性能面に加えて、「アドベンチャー」といういま流行のオフロード感溢れるデザインが好評のようです。

 そんななか、高速道路や長距離移動が多い人やアウトドアの趣味があるユーザーには、マツダや三菱のような個性のあるSUVがマッチするのかもしれません。

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