トヨタ「グランエース」を最速カスタム!? 送迎・カスタム業界の救世主となるか

盛り上がりに期待する一方で、冷静な意見も…

 新たな送迎ニーズに対応するべく登場したグランエースですが、トヨタは次のように説明しています。

「日本導入の背景は、近年のインバウンドによる訪日外国人の増加や、2020年の東京オリンピックに向けて送迎需要の増加が見込まれるためです。

 ベースは海外向けの新型ハイエースで、全長5m超えとかなり大柄なサイズですが、タイヤかなり切れるので一回り小さい『アルファード/ヴェルファイア』より小回りが利くなど、日本でも問題なく使えます。

 また、日本で新型ハイエース自体を導入するわけではないので、既存のハイエース(200系)はそのまま商用バンとして併売し、新型グランエースは、新たな送迎に関わるジャンルを開拓していくモデルです」

 実際に送迎といってもいくつかの種類に分けることができるといいます。トヨタとしては、VIP/企業要人、大使館関係者、芸能事務所などでの「ショーファーニーズ」、ハイヤー/タクシー、インバウンド企業、高級リゾートなどの「送迎ニーズ」、ビックサイズミニバンやキャンパーなどの「小口法人や個人向けニーズ」というユーザーをターゲットにしているようです。

スポーティさかつアメリカンなテイストを感じさせるカスタムモデル
スポーティさかつアメリカンなテイストを感じさせるカスタムモデル

 そんな、期待が込められたグランエースは、ワゴンカスタム市場に新たなる旋風を巻き起こしつつあるともいえる存在です。しかし、今後の動向については冷静な意見も出ており、前出とは別のパーツメーカーは、次のように話します。

「新型車として、グランエースが登場したので、賑やかしにはなるかと思います。ただ、これまでのハイエースやキャラバンは、土建業者の方々などカスタムを好む層がお客さまでしたので、カスタム市場も盛り上がっています。

 しかし、グランエースを購入されるお客さまは、ホテルや旅館、VIP向けの送迎など個性あるカスタムはイメージの問題もあり、避けられるのではないかと思います。

 そのため、グランエースのカスタムは初期の盛り上がりはあるものの、その後の販売は厳しいかもしれません。また、新型コロナウィルスの影響で観光業が大ダメージを受けているようなので、もしかするとグランエース自体の販売も伸び悩むのかもしれません」

※ ※ ※

 また、秋田県でホテルを経営するオーナーは、「2019年12月の発売時点では、最寄りの駅からの送迎や近隣の観光地への輸送力として、購入を検討していました。しかし、新型コロナウィルスの影響で訪日観光客が激減していることもあり、購入に踏み切れていない状態です。しかし、高級感のあるグランエースはお客さまをお出迎えするうえで、魅力的なものだと考えております」と話しています。

 さまざまな業界で期待が高まるグランエース。今後、どのような盛り上がりを見せるのか、気になる1台です。

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Writer: くるまのニュース編集部

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