ハチロクvsシビックが熱かった! 国産1.6リッタースポーツ車5選
1970年代から1990年代にかけて、1.6リッターエンジンを搭載した、いわゆる「テンロク」のモデルが数多く誕生しました。そこで、そのなかでもとくに注目された1.6リッターのスポーツモデルを5車種ピックアップして紹介します。
走る楽しさを教えてくれた、あの頃のテンロク名車たち
かつてモータースポーツのレギュレーションで、1.6リッターで区切られる排気量区分があったため、1.6リッターエンジンを搭載したモデルが数多く存在しました。
1970年代から1980年代に隆盛を極め、その流れは1990年代まで続き、その後は急激に台数を減らしてしまいました。
そんな1.6リッター車のなかから、とくに注目された1.6リッターのスポーツモデルを5車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「TE27型 カローラレビン/スプリンタートレノ」
1969年に東名高速道路が全面開通し、同年、日産はプリンス自動車から引き継いだ「スカイライン」にレースベース車にあたる「スカイライン GT-R」を追加して発表しました。
こうしてスポーツモデルに熱い視線が集まり、大衆車にも魅力溢れるスポーツカーを求める声が高まります。
その声に対するトヨタの回答が、1972年3月に登場した初代「カローラレビン/スプリンタートレノ」です。「TE27型」という型式から、後に「ニーナナ レビン/トレノ」の愛称で呼ばれ、現在も旧車のなかで高い人気を誇っています。
搭載されたエンジンは、トヨタ初のスペシャリティモデル「セリカ」のために開発された、1.6リッター直列4気筒DOHC「2T-G型」ユニットです。
2連装したミクニ・ソレックスキャブレターから供給される「有鉛ハイオク」(レギュラー仕様もあり)によって、9.8の圧縮比から最高出力115馬力を発揮。
もともと2T-G型は、OHVの「2T型」エンジンのシリンダーヘッドをヤマハ発動機の手によってDOHC化することで開発され、バルブ数は1気筒あたり2本の8バルブです。
現在の水準からすると大きく重いエンジンでしたが、頑丈な鋳鉄シリンダーブロックは高度なチューンナップにも対応し、モータースポーツ用エンジンとしても活躍しました。
●トヨタ「AE86型 カローラレビン/スプリンタートレノ」
1983年5月にカローラ/スプリンターが5代目にフルモデルチェンジした際、セダン系はFFに移行しましたが、スポーツモデルのAE86型 カローラレビン/スプリンタートレノ(レビン/トレノ)はFRを継承しました。
搭載されたエンジンは名機2T-G型から新開発の1.6リッター直列4気筒「4A-GEU型」になり、1気筒あたり4バルブエンジンへと生まれ変わりました。
最高出力は130馬力で、トランスミッションは当初5速MTだけでしたが、1985年に電子制御4速ATが追加されます。
また、シャシは先代の「TE71型」から大きく進化しませんでしたが、ステアリングシステムにカローラシリーズ初となるラックアンドピニオンが採用され、クイックなハンドリング性能を得ていました。
軽量な車体も相まって高い運動性能を誇り、国内のラリーやレースでも大活躍し、走りを重視する若者から絶大な人気を得ます。
このAE86型 レビン/トレノは後にコミック「頭文字D」に登場したことで人気が再燃し、デビューから40年近く経った現在でもファンが多く、中古車市場ではいまだに高値安定傾向が続いています。
●ホンダ「シビック Si」
1983年9月にAE86型 レビン/トレノの後を追うように、ホンダは「S800」以来の14年ぶりとなるDOHCエンジン搭載車「シビック Si」を発売。
クルマとして初のグッドデザイン大賞を獲得した3代目シビックに、1.6リッター直列4気筒DOHC「ZC型」エンジンを搭載し、S800をオマージュしたかのように、パワーバルジのあるボンネットがシビック Siの特徴です。
ホンダが当時のF1エンジン開発で培った電子制御燃料噴射装置「PGM-FI」により、最高出力135馬力を発揮。トヨタの4A-G型を上回る出力を誇りました。
また、ZC型の特徴としてボア×ストロークが75mm×90mmとロングストロークだったため、低速域のトルクが比較的太く、ドライバビリティの高さも高く評価されました。
脇から入り込んだが以前乗っていた変態仕様のパルサーだろ?(笑)