売れ筋SUVの見た目が変化? 都会派からワイルド系へ回帰した背景とは
都会派SUVとワイルド系SUVが共存? 群雄割拠の2020年SUV市場
C-HRの登録車販売ランキング首位獲得から約2年半が経った2020年1月、前述のとおりトヨタの小型SUV「ライズ」がランキング首位となりました。
ライズは全長が4mを切るボディサイズで、C-HRよりさらにコンパクトなSUVです。ライズの登場によって、トヨタのSUVラインナップの末っ子はC-HRからライズへ変わりました。
なお、ライズの開発はトヨタの子会社であるダイハツが担当していることから、ライズはダイハツ「ロッキー」のOEMモデルという立ち位置となります。
ボディには、TNGAのダイハツ版といえるDNGAプラットフォームを採用。小さなボディからは想像できない広い室内と、レジャーでの使い勝手を重視したユーティリティ性の高さが特徴です。
そんななか、ライズの外観デザインを見ると、C-HRやヴェゼルのデザインとは異なりスクエアでワイルドな印象を持ちます。
ライズのデザインについてトヨタは「『力強く! 新しい! アクティブスタイル』をコンセプトにしており、全長3995mm、全幅1695mmのコンパクトサイズでありながら、大径タイヤと張り出したフェンダーにより、SUVらしく堂々と踏ん張り感のあるシルエットを表現しています。
角張ったバンパーコーナー形状や台形ロアグリルにより、力強さとワイド感を表現したフロントビューも特徴です。5ナンバーサイズでありながら、SUVらしいスタイルとしました」と説明しています。
ライズは、同じく登録車で販売首位となった実績を持つC-HRとは大きく印象が違いますが、SUVにおけるデザインの流行が変化したのはいつ頃なのでしょうか。
じつは、2019年4月にはライズよりワイルドなミドルサイズSUVとしてトヨタ「RAV4」が発売されています。
RAV4は世界初の4WDシステムの採用など、悪路における操縦安定性も追求されていますが、デザイン面においてもフロントバンパーをはじめボディ各所がゴツゴツとした印象で、アウトドアシーンにもよく似合う外観です。
RAV4は登録車販売ランキングで首位を獲得するには至っていないものの、C-HRなどのコンパクトSUVより高額であるにも関わらず、2019年5月のランキングでは7位(SUV1位)を獲得。ワイルド系SUVが支持を集めた格好となっています。
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都会派なデザインのSUVと、“SUVらしさ”を強く強調したワイルド系のSUVが共存するのがSUV市場の現状ですが、食い合いは生じないのでしょうか。
RAV4やライズと比べてデビュー年がもっとも古いC-HRについて、トヨタの販売店スタッフに聞くと、「RAV4やライズの登場で少なからずC-HRのお客さまは両車に流れたかとは思います。
しかし、コンセプトはそれぞれ異なっていますので、2019年10月におこなわれたデザインや安全・走行性能などの改良(マイナーチェンジ)によって、元々C-HRを好むお客さまには良いアピールが出来ると考えています」とコメントします。
そして実際に、2020年1月におけるSUVの販売ランキングを見ると、1位ライズ(総合1位)、2位RAV4(総合11位)、3位C-HR(総合17位)、4位ヴェゼル(総合18位)、5位ロッキー(総合21位)と、都会派SUVとワイルド系SUVが入り乱れる状況です。
売れ筋モデルだけ見てもさまざまなモデルから選択できる現在のSUV市場は、ユーザーにとってもメリットが大きいといえるでしょう。
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