進化の頂点に立った高性能4WD車とは!? 記憶に残る三菱の4WD車5選
時代を駆け抜けたスーパースポーツモデル
●ランサーエボリューションIV
1992年にデビューした初代「ランサーエボリューション」は、世界ラリー選手権(WRC)の出場資格を取得するために「ランサー1800GSR」をベースに、最高出力250馬力を誇る2リッター直列4気筒ターボ「4G63型」エンジンと、4WDシステムを搭載し、限定生産されたスポーツモデルです。
デビュー以降は毎年のように進化を続け、「ランサーエボリューションII」では260馬力、「ランサーエボリューションIII」では270馬力と高出力化を図ります。
そして、1996年に登場した「ランサーエボリューションIV」では、エンジンの型式は変わらずも、当時の国内メーカーの自主規制枠いっぱいとなる最高出力280馬力/最大トルク36.0kgmにパワーアップし、「ラリーの三菱」の黄金期を築きました。
トランスミッションには各ギア比を接近させたクロスレシオの5速MTが設定され、サスペンションはフロントがストラット、リヤはマルチリンク式を採用。
競技用ベース車両となる「RS」には、世界初のトルク感応式ヘリカルLSDを装備し、さらに左右後輪への駆動力をアクティブに配分する「AYC(アクティブ・ヨートルク・コントロール)」をリヤデフに搭載。従来型から大幅に旋回性能を向上させました。
●ランサーエボリューションX
2007年に発売された「ランサーエボリューションX」は、シャシが一新された第4世代で、最後のランサーエボリューションとなります。
アルミブロックを採用した新開発の2リッター直列4気筒ターボ「4B11型」エンジンを搭載し、最高出力280馬力/最大トルク43.0kgmのパワーで驚異的な加速性能を発揮。
トランスミッションは5速MTに加え、新たに6速DCTの「ツインクラッチSST」を設定し、トルクコンバーターを使わずに素早い変速とダイレクトな加速フィーリング、優れた燃費性能を実現し、2ペダルなのでAT限定運転免許でも運転は可能です。
トップグレードの「GSRエボリューションX」は、4輪の駆動力と制動力をそれぞれ独立にコントロールする車両運動統合制御システム「S-AWC(Super All Wheel Control)」を搭載し、究極の走りを目指した4ドアセダンに仕立てられます。
さらに、ビルシュタイン製ショックアブソーバー、アイバッハ製コイルスプリング、ブレンボ製ブレーキシステムを装着した「ハイパフォーマンスパッケージ」も用意されていました。
こうして進化の頂点に達したランサーエボリューションXでしたが、2015年に「ランサーエボリューション ファイナルエディション」を1000台限定販売し、生産を終了することを発表。
ファイナルエディションは313馬力までパワーアップされ、ハイパフォーマンスパッケージを標準装備するなど、最終モデルにふさわしいモデルでした。
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現在、三菱のラインナップには4WD車が数多く存在します。かつての本格的なクロスカントリー車や、スーパースポーツモデルは無くなってしまいましたが、三菱が誇るAWC(オールホイールコントロール)技術は継承されています。
ジープから始まり、パジェロやランサーエボリューションで培った4WD技術に、現在は電動化やブレーキ制御なども加わり、あらゆる路面で安定した走りを実現するS-AWCへと進化したのです。
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