トヨタが高齢者事故対策に本気!? 踏み間違い防止の新機能とは
トヨタの新システムはどんな点がスゴいのか
トヨタの“秘策”とは、目の前の障害物がなくても、アクセル操作が異常だと車載装置(DCM:データ・コミュニケーション・モジュール)が感知した場合、加速を抑制する技術です。
今回発表された、新しいタイプのアクセルとブレーキの踏み間違い防止システムは、DCMから得た各車のデータを基に、車両の前後に壁などの障害物がない状態でも、異常なアクセル操作を検知する仕組みを盛り込みました。
いわゆる、ビックデータを解析したことによる、トヨタ独自のアルゴリズムを採用しています。具体的には、次のステップで構成されています。
・車速が低速であること
・アクセルペダルの操作速度が急であること
・アクセルペダルの踏み込み量が大きいこと
・上り以外の坂道であること
・直前にブレーキ操作がないこと、または右折中か左折中かその直後であること
これらの分岐を経て、踏み間違いが起きているのか、ドライバーが本当に加速を必要としているのかを判断します。
こうしたシステムを、トヨタでは「急アクセル時加速抑制機能」と呼び、2020年の夏を目途に、新車ではモデル毎に適合させます。また、後付けキットの踏み間違い加速抑制システムでも、同じシステムを2020年夏から採用します。
注目されるのは、「急アクセル時加速抑制機能」をオプション設定として、高齢ドライバーや、高齢ではなくてもこうしたシステムの必要性が感じる人向けとしたところです。
しかも、特殊なキーを使って乗り込んだ場合のみシステムを稼働させるという方法を取りました。
先進開発カンパニーのフェローである葛巻清吾氏は「我々が開発した、このアルゴリズムを他社向けにも無償で情報公開し、多くのメーカーが採用して欲しいと考えています」と、交通事故者ゼロを目指して業界全体をトヨタがリードしていくという強い意志を示しました。
今回の発表では、「急アクセル時加速制御機能」のオプション価格については未公開でした。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
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