歴史を作った偉大な名車たち! スズキの軽自動車3選

2020年にスズキは創業100年を迎えます。軽自動車や小型車の開発を中心に、数々の名車を輩出してきました。そこで、記憶に深く残るほどインパクトがあったスズキの軽自動車を、3車種ピックアップして紹介します。

100年の歴史を持つスズキが販売した名車たち

 現在、日本で一番売れているクルマといえば軽自動車です。例として挙げると2019年にホンダ「N-BOX」シリーズは、25万3500台の販売台数を記録し、これはホンダの歴史上で1車種の台数として過去最高でした。

時代を築いたスズキの軽自動車
時代を築いたスズキの軽自動車

 一方で、この軽自動車市場を長年支えてきた老舗メーカーとしてスズキがあり、2020年で創業100年を迎えます。

 そこで、歴史を作るほどのインパクトがあったスズキの軽自動車を、3車種ピックアップして紹介します。

●スズキ「ジムニー」

軽クロスカントリー車として唯一無二の存在「ジムニー(初代)」
軽クロスカントリー車として唯一無二の存在「ジムニー(初代)」

 2018年に20年ぶりとなる新型が発売されたスズキ「ジムニー」は、未だに納車待ちが続くほどの人気を誇っています。

 その元祖となる初代ジムニーは、1970年に軽自動車初となる本格的なクロスカントリー車としてデビューしました。

 ボディはキャンバストップのオープンで、シャシはボディとは別体の「はしご型」フレームを採用。サスペンションは信頼性の高い前後リーフスプリング(板バネ)のリジットアクスル式です。

 搭載されたエンジンは「キャリイトラック」用の空冷2サイクル360cc2気筒で、最高出力はわずか25馬力でしたが車重600kgという軽さで、泥濘地や砂地でも高い走破性を発揮しました。

 そのため、土木や林業の現場で活躍する道具としてだけでなく、手軽にオフロード走行できるレジャーのパートナーとしても、人気は不動のものになります。

 後に水冷エンジンに変更されバンモデルを追加し、さらに軽自動車規格の変更で、2サイクル550ccエンジン、4サイクル550ccエンジンを経て660ccエンジンとなり、いまに至ります。

 かつて、三菱「パジェロミニ」というライバルが出現しましたが、悪路走破性はジムニーが勝っていて、現在、軽クロスカントリー車といえばジムニーが唯一無二の存在です。

●スズキ「アルトワークス」

馬力規制を生んだ高性能軽自動車の先駆者「アルトワークス(初代)」
馬力規制を生んだ高性能軽自動車の先駆者「アルトワークス(初代)」

 1979年に47万円という低価格で衝撃的なデビューを飾った初代「アルト」は、軽ボンネットバンブームの火付け役でした。

 その後、アルトは進化を続け、1986年にはスズキの軽自動車では初となる42馬力のDOHCエンジン搭載車「アルト ツインカムRS」を発売し、さらにターボを装着して最高出力を48馬力まで向上させ、ライバルに対してアドバンテージを築きます。

 そして、1987年には軽自動車で当時最高となる64馬力を発揮する、550cc3気筒DOHCターボエンジンを搭載した「アルトワークス」シリーズを発売。

 これに対して同じく64馬力を発揮するダイハツ「ミラ TR-XX」と三菱「ミニカ ダンガンZZ」が発売され、軽自動車の第2次パワー競争が勃発します。

 しかし、これ以上の出力アップは事故の増加や、速度違反の助長につながると運輸省(現在の国土交通省)が判断し、アルトワークスが最初に到達した64馬力が、現在も続く軽自動車の出力自主規制上限値となりました。

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