爆騰で希少GT-Rも次々流出… 旧車イジメ日本と旧車優遇な米国の違い
なぜ日本では「旧車」は維持しづらいのか
現在米国で人気の国産スポーツカーには、どのようなモデルがあるなのでしょうか。
筆頭は、米国でも人気車のスカイラインGT-Rです。前出のR32型はもちろんR33型も高騰しています。
また、6速MTを搭載し、1万1344台だけが生産された1999年製のR34型もまもなく25年ルールの対象となります。
なかでもマイチェン後の「VスペックII」、2002年に登場した生産終了記念モデル「VスペックII・ニュル仕様」は、どれほど価格が高騰するか注目です。
また、ホンダの初代「NSX」は米国でもアキュラブランドで発売していましたが、右ハンドルの日本仕様が人気のようです。
日本だけの発売だったサーキット仕様車ともいえる1992年から1995年製「タイプR」も注目株です。なお、1997年から3.2リッターとなり、MTが5速から6速に進化した「タイプSゼロ」に、今後注目が集まるといわれています。
また、マツダのロータリースポーツ「RX-7(FD3S型)」も米国に流出しているクルマのひとつだといわれ、なかでも最終特別限定車「RX-7スピリットR」が注目されているようです。
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日本では、エコカー減税などの導入で燃費が良く環境性能が高いとされる新型車を販売する政策を推し進めています。一方で、減税した分の税収を補うために、国内の旧車ユーザーに重税を課している状況です。
自家用乗用車と軽乗用車は、初度登録(軽自動車は初度届け出)から13年経過して所有すると毎年の自動車税が上がり、加えて13年と18年を超すと車検毎に支払う自動車重量税も大きく上がります。
小型/普通乗用車は初年度登録から13年を経過すると自動車税が115%に高まります。
具体的に記すと排気量1.5リッター以上から2リッター未満の自動車税は、13年以内ならば年額3万9500円ですが、登録から13年(ディーゼル車は11年)を超えると、年額で4万5500円にアップします。
つまり、旧車ユーザーからたくさんの税金を取って、エコカー減税を担保しているともいえるわけです。
軽自動車も同じです。軽乗用車税は、初届け出から13年以内であれば年額1万800円ですが、13年を超えると1万2900円に跳ね上がります。
加えて、自動車重量税も大きくアップします。小型/普通乗用車なら、初年度登録から13年を経過すると139%、18年を経過すると154%に増えるのです。車検を受けるには2年分の自動車重量税を納める必要がありますが、車両重量が1001kg以上1500kg以下のクルマでエコカー減税が適用されない場合、一般的な税率で2万4600円です。これが13年超で2年分3万4200円、18年超で3万7800円にまで跳ね上がるのです。
もちろん、同じことは軽自動車にも該当します。重量税は普段の車検時2年分なら6600円ですが、初度届け出から13年を超えると24%増えて8200円になり、18年超となると33%増となって8800円となります。
つまり、日本では13年以上クルマを所有し続けるには、相当な維持費が掛かるということになり、まさに「旧車ユーザーいじめ」としかいいようがない税制なのです。
日本では旧車ユーザーを無視しているようにも取れる規制が次々に適用されていきます。そんななか、25年という月日を経て、日本で名車と称されたスポーツカーが米国に流出しています。
2020年の25年前といえば1995年、バブル崩壊という日本経済の危機を迎えた時期でもありました。その荒波のなか販売された名車たちは、米国で再び脚光を浴びているようです。
冒頭の画像はBNR32ではなくスカイラインオーテックバージョン(4ドア)。
バンパーの彫り込み様ペイントがその証し。
このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
修正いたしました。