トヨタ「ヤリスWRC」がWRC第1戦で2位・3位を獲得! 勝田選手もポイント獲得

トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team)は2020年のWRC(世界ラリー選手権)第1戦「ラリー・モンテカルロ」に4台の「ヤリスWRC」で参戦しました。果たしてどのような結果となったのでしょうか。

トヨタ「ヤリスWRC」が2位・3位を獲得

 2020年1月23日から26日にかけて開催された「FIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦ラリー・モンテカルロ」で、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組が総合2位でフィニッシュしました。

 同チームのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組は総合3位、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組は総合5位でフィニッシュしています。選手を一新して臨んだ最初のラリーで、トヨタの「ヤリスWRC」は全車が完走しました。

ラリー・モンテカルロに参戦したトヨタ「ヤリスWRC」
ラリー・モンテカルロに参戦したトヨタ「ヤリスWRC」

 1月25日におこなわれたデイ3では、オジエとエバンスが激しい首位争いを展開。エバンス選手が総合1位、オジエ選手が4.9秒差の総合2位と、競技最終日の前日まではヤリスWRCが1-2体制を築きました。

 しかし、最終日はオジエ選手と1.5秒差の総合3位につけていたティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー組(ヒュンダイ i20クーペWRC)が速く、首位の座を明け渡すことになりました。

 結果、ヌービル選手が2020年のラリー・モンテカルロを制し、2位にはエバンス選手とのチーム内バトルを制したオジエ選手が入りました。

 オジエ選手は、ボーナスポイントがかかる最終SS「パワーステージ」で、ベストタイムに僅か0.012秒届かなかったものの、2番手タイムで貴重なボーナスの4ポイントを獲得しました。

 一方、エバンス選手は優勝は逃したものの、合計4本のベストタイムを刻むなど素晴らしいスピードで何度かラリーをリードし、モンテカルロでのベストリザルトとなる、総合3位でフィニッシュ。

 今回がヤリスWRCでの初WRC出場だったロバンペラ選手は、難しいコンディションで最後までミスのない安定した走りを続け、5位でラリーを終えました。

 また、今回初めてヤリスWRCでモンテカルロに挑んだ、TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムの勝田貴元選手は、自己最高リザルトとなる総合7位でフィニッシュ。貴重な経験と、ドライバーズポイントを得ました。

 今回の結果を受け、豊田章男チーム総代表は次のようにコメントしました。

「2020年のWRCシーズンがはじまりました。今年は日本開催もあります。TOYOTA GAZOO Racingにとっては、8人の新たなドライバー/コ・ドライバーを迎えた新チームでのスタートでもありました。

 新チームでの開幕戦、全4台のヤリスが完走を果たせたこと、まずは嬉しく思います。そして、オジエ/イングラシア組2位、エバンス/マーティン組3位と素晴らしいシーズンスタートを切ることができました。

 時間の無い中で準備してくれたチームのみんな、ありがとう!

 しかし、先日の体制発表のステージ裏では、この新たなドライバー達とも「We hate to lose」の合言葉を確認しあっていました。私も含め、みんなの心にも、悔しさが残った開幕戦でもあったと思います。

 今年のチームは“誰もが勝ちを狙える”チームです。次戦以降も常に表彰台の高いところを目指し、ヤリスをもっと強いクルマにし続けていきましょう。

 ファンの皆さま、今シーズンも応援よろしくお願いいたします。

 追伸

 セバスチャンとジュリアンへ。

 連続する地元勝利をヤリスで止めてしまったこと、申し訳ない気持ちです。一緒にヤリスをもっと強いクルマにしていきましょう。そして多くの勝利を目指しましょう。We hate to lose!」

 また、TOYOTA GAZOO Racingのトミ・マキネンチーム代表および、各ドライバーは次のようにコメントしています。

●トミ・マキネンチーム代表

 我々にとって素晴らしい週末になりましたが、もちろん優勝を逃し、今日は少し残念に思います。我々は常に学んでおり、今朝はドライバー達がクルマに完璧なフィーリングを感じることができませんでした。

 その後、セットアップを少し変更したところ、彼らは速さを取り戻しました。WRC最高峰の戦いというのは、それくらいシビアなのです。

 セバスチャンとエルフィンが表彰台に立っただけでなく、初めてトップカテゴリーに挑んだカッレも5位でフィニッシュするなど、新たなドライバー体制で臨んだ最初のラリーで素晴らしい結果を残すことができたと思いますし、今後に期待できる1戦でした。

●セバスチャン・オジエ選手(ヤリスWRC 17号車)

 ポジティブな結果にとても満足しています。もちろん、さらに良いリザルトを期待していましたし、チームに勝利をもたらしたかったのは事実です。

 しかし、新しい環境に適応することは常に大きな挑戦ですし、とくにこのような難しいラリーではなおさらなので、素直に喜ぶべきでしょう。

 週末を通して、自分が快適に感じられる領域を越えないように走りました。僅かに優勝には届きませんでしたが、選手権を考えると22ポイントを獲得できたのは上々です。

 ラリー中はクルマのフィーリングがとても良く感じられるときもあれば、十分な自信を得られず限界まで攻め切れないときもありましたが、それでもこのクルマのポテンシャルは十分に感じました。

 とても運転が楽しく感じられたので、もう少し時間が経てば、一緒に素晴らしい結果を掴むことができるはずです。

●エルフィン・エバンス選手(ヤリスWRC 33号車)

 勝てるポテンシャルがあったと思いますので、今日は少し失望しています。ラリーをリードすれば自然と期待も高まり、優勝を狙いたくなるので、いまは辛い気持ちです。

 とはいえ、全体的にはポジティブな週末でした。残念ながら、今日はフィーリングがあまり良くなく、一生懸命プッシュしましたが、スピードが伴いませんでした。すべてのコーナーを攻め切ることができず、それがタイムを失うことに繋がったと思います。

 学ぶべきことはまだありますが、全体的には悪くないスタートになったと思いますし、きっと今後の礎になるでしょう。

●カッレ・ロバンペラ選手(ヤリスWRC 69号車)

 良い週末だったと思います。今年のモンテカルロは本当にトリッキーで、コンディションが頻繁に変わるなど、新しいクルマを学ぶ場としては、かなり難しいラリーでした。

 しかし、週末を通して常に成長することができ、自分が慣れているコンディションで走ったときは、少し良い走りができました。この週末は本当に多くのことを学びましたし、シーズンの開幕をミスなく終え、ポイントを獲得できたのは大きな収穫です。

※ ※ ※

 WRC次戦は、2020年2月13日から16日にかけて開催予定の第2戦「ラリー・スウェーデン」です。スウェーデンはシーズン唯一のフルスノーラリーであり、長い歴史と高い人気を誇るクラシックイベントです。

 サービスパークは今年もトルシュビーに置かれ、ステージはスウェーデンだけでなく、国境を越えて隣国のノルウェーでもおこなわれます。

 過去、TOYOTA GAZOO Racingは2017年のWRC復帰初年度にヤリ-マティ・ラトバラ選手が優勝。2019年にはオィット・タナック選手が優勝するなど、相性の良いイベントのひとつです。

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