いまや「デートカー」は死語!? 昭和・平成・令和で変わった恋人ニーズの変化とは

昭和から平成に掛けて日本中がお祭り騒ぎだった「バブル期」。当時は、クルマを持っていることがステータスともされ、デートの際に必須なアイテムでもありました。しかし、現代では多様化する娯楽や流行によって、クルマは所有しなで借りるものという認識もあります。では、近年の「デートカー」とはどのようなクルマを指すのでしょうか。

令和の現在、デートカーは存在しているのか?

 かつて、バブル期にはクルマを持つことがステータスとされ、若者の間で「デートカー」と呼ばれるクルマが人気を集めた時代がありました。いまでは耳にする機会が減った言葉ですが、古今の若者間ではデートカーの意義は変化したのでしょうか。

デートカーの定番車種だったホンダの3代目「プレリュード」
デートカーの定番車種だったホンダの3代目「プレリュード」

 デートカーとは、1970年代から登場した、スタイリッシュな外観を持つ2ドアクーペを指すといわれています。これらのクーペは外装や内装に工夫があったほか、内装の質が高いという特徴があり、1980年代から1990年代の若者に圧倒的な人気がありました。

 最近の若い世代では「クルマ離れ」が叫ばれており、クルマを持つことがステータスであった頃とは真逆の状態です。しかし、若い女性向けアンケートをみると、いまでもモテる男の条件には「クルマ持ち」という要素が入っています。

 かつてのデートカーで、代表的なのはトヨタ「ソアラ」、ホンダ「プレリュード」、日産「シルビア」の3車種です。

 ソアラは、「クラウン」などのトヨタ上位車種に並ぶクルマとして、1981年に登場しました。デートカーとして人気があったのは、1981年に発売された1代目(Z10型)、1986年に発売された2代目(Z20型)とされています。

 デートカーとしてのソアラを象徴する出来事として、当時は「ソアラに乗っていれば、女子大生から乗せてほしいといわれることがあった」というものがあります。男女どちらの若者にとっても、デートカーといえばソアラと称されるほどの人気があったようです。

 プレリュードは、かつて存在したホンダの販売チャネルである、ホンダベルノのトップモデルとして登場しました。デートカーとして人気があったのは、1982年に発売された2代目(AB/BA型)、1987年に発売された3代目(BA4/BA5/BA7型)とされています。

 プレリュードは、最近ではめっきり減ってしまった「リトラクタブルヘッドライト」を装備し、クルマ全体がスタイリッシュな雰囲気であることから、女性の人気も高かったようです。

 また、プレリュードならではの特徴として、運転席から助手席をリクライニングさせる機能があります。普通のクルマなら助手席のリクライニングレバーはドアのある左側にありますが、プレリュードには右側にもレバーがありました。「運転席から助手席を倒せる」という機能だけで、プレリュードを選んだ人もいたのでしょう。

 いまや走り屋御用達のイメージが強いシルビアの初代モデルは、日産のスペシャリティカーとして1965年に登場。デートカーとして人気があったのは、1988年に発売された5代目(S13型)とされています。

 5代目シルビアは、当時デートカーとして人気の高かったプレリュードの販売台数を上回る約30万台が販売されたほか、グッドデザイン大賞を受賞するなど、歴代シルビアのなかでも圧倒的な人気を誇りました。低いスタイリングやシャープなデザインなどの面から、現代でも高い人気があります。

 また、シルビアはほかのデートカーと比べて長く販売された車種であり、最終型である7代目(S15型)まで、販売期間は37年間にわたります。顧客層は、若者から熟年者まで幅広く、デートカー以外としても、多くの人に愛されていたクルマといえるでしょう。

 近年の若年層はデートカーについてどういった認識を持っているのでしょうか。あるホンダ販売店の若手スタッフは以下のように話します。

「お客さまからさまざまなお問い合わせがありますが、デートカーというのは初めて聞きました。現在、ホンダがラインナップしている車種のなかには、デートカーと呼べるものは無いと思います。ただ、若い方向けですと、N-BOXがおすすめできると思います。家族やカップルでお使いいただけます」

 現在の販売店スタッフの言葉からも、デートカーが現代では一般的ではなくなったことが伺えます。クルマを買う消費者だけではなく、販売店でも世代交代が進んでいるといえるでしょう。

 対して、デートカー全盛期に日産の販売店に務めていた元スタッフは、次のように話します。

「当時は、クルマがモテるための必須アイテムだったこともあり、大々的にデートカーという言葉は使っていませんでしたが、独身男性が来店した際には会話のなかでデートカーという言葉は頻繁に出ていたように思えます。また、他社のデートカーと購入比較されることもありました。

 しかし、2000年代以降はファミリー向けのクルマが人気を博したこともあり、デートカーというポジションのクルマは少なくなったのかもしれません。そのような点からすると、価格帯の安いコンパクトカーは若者のデートに使われる機会が多かったように感じます」

※ ※ ※

 デートカーという言葉自体が消えても、デートをする際にクルマを使う機会は多くあります。その多くは、軽自動車やコンパクトカーというのがいままでの定番だったようですが、最近ではカーシェアリングなどクルマを気軽に借りることができるサービスも広まってきたことにより、所有(ステータス)よりも移動手段のひとつという感覚なのかもしれません。

【画像】当時の彼女はどうだった? 憧れた人も多いバブル期のデートカーをチェック!(15枚)

【2023年最新】自動車保険満足度ランキングを見る

画像ギャラリー

1 2

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

2件のコメント

  1. 3代目プレリュードとその同時期のレジェンドは本当にカッコ良かった。どちらも当時のエリートサラリーマンの証みたいなところがあって、早くこんなクルマに乗れるようになりたいと思ったものでした。
    今の時代、そんな発想自体古臭くて価値をなさないのでしょうかが。。

  2. 現在55歳。まさにソアラやプレリュードが人気絶頂の頃にを知っているものですが、記事には若干の違和感があり投稿しました。
    当時は「デートカー」等という言葉はありませんでしたね。
    (あったのかもしれませんが、一般的には使われていなかったですよ)

    この記事を書いた方は当時を知らない世代の方なのかな。
    過去のネットの記事などを参考に書いているのでしょうか。
    でも適当なことを書いたらダメですよ。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー