実際どっちがお得? 残価設定ローンと月額定額サービス「KINTO」のメリットとデメリット
従来のマイカーローンよりも、月々の支払いが安く抑えられ、気軽に新車が購入できると好評の残価設定ローンですが、注意すべき点もあります。2019年夏から始まったトヨタの月額定額サービス「KINTO」と比較して、どちらが得なのでしょうか。それぞれのメリット、デメリットを調べてみました。
契約満了までの価値で設定されるから月々の支払が割安になる残価設定ローン
新車に安く乗ることができる支払い方法として人気の残価設定ローンに加え、2019年の夏からはトヨタの月額定額サービス「KINTO」もスタートしました。どちらも従来のマイカーローンよりも月々の支払いが安く抑えられる点が魅力ですが、いったいどちらがお得なのでしょうか。メリットとデメリットを比較してみました。
残価設定ローンは、車両価格からあらかじめ契約期間となる3年から5年後の予想下取り価格=残価を差し引いて、その残金を先に分割返済していくというローンです。そのため、ある程度の頭金があれば通常のオートローンに比べ、月々の支払額を安く抑えることが可能です。
基本的には契約満了時にクルマを返却することが条件ですが、返却時の残価を次の新車購入の費用に充てることができるので、たとえば3年で返却する契約ならば、車検の費用負担なしで返却して別の新車に乗り換えるといったことも可能です。
「ある一定の条件」をクリアできれば、低い費用負担で同じ販売店の新車を次々に乗り換えることができるのです。
なお、冒頭で述べた残価は、実は契約の最後に支払う形になっているので、契約満了時に再ローンを組むなどして、クルマを買い取ることもできます。
ただし、残価設定ローンは購入価格全体に金利がかかってくるので、再ローンとなった場合はトータルでは割高になることも覚えておいてください。
また、契約満了時に返却するクルマに対し、査定の対象となる条件がいくつかあります。
返却時には、走行距離が月換算でおよそ1000kmを超えていないこと。そして通常走行以上のへこみや傷がないことなどが挙げられ、その基準の範囲を超えると契約満了時に超過料金が発生します。
さらに、メーカーオプションなどの取り付けは購入時にできますが、規定以上のカスタマイズはできず、カスタムをした場合は返却時に元の状態に戻すことが必須。もちろん事故などはもってのほかです。
そのため販売店のセールスマンは、月々の走行が1000km以上を超えることが分かっている人や、乗ってきたクルマに傷が目立つ人、運転が粗いと思われる人には残価設定ローンを勧めないそうです。
喫煙者やペットを飼っている人も注意が必要で、車内での喫煙によるタバコの臭いや、ペットの乗車によってついた臭い、シートなどに付着した毛はクリーニングでも落ちにくく、返却時に大幅な減点や追加費用が請求されることもあります。
実は後述するKINTOにおいても、条件として車内での喫煙やペットの乗車を規約で禁止行為として明記しています。
つまり残価設定ローンもKINTOも、車内でタバコが欠かせない、あるいはペットと一緒にドライブしたいという人は、利用しない方が賢明です。
※ ※ ※
2019年7月より全国展開を開始したトヨタの月額定額サービス「KINTO」。現在は、トヨタ車15車種(当初6車種。2020年1月15日からはさらに16車種追加予定)からクルマを選択でき、3年間の利用契約となる「KINTO ONE」と、レクサス車6車種から乗り換え可能な6年利用の「KINTO SELECT」がありますが、今回は一般的なKINTO ONEで検証します。
その仕組みは、契約満了後の残価を差し引く残価設定ローンとおおむね同じですが、その支払い分に、税金、任意保険、メンテナンス等の費用が含まれているのが大きな違いです。
定額料金のメリットは、乗り始めから3年間、毎月変わらない金額を支払うことになるのでお金の管理がしやすいこと。突然の故障や修理の費用もコミコミです。
走行距離制限は月間1500km以内で、3年間で5万4000kmまでと、レジャー使用が主な用途であれば十分な距離です。満了時に超過していた場合は、1kmあたり10円を支払うことになっています。
さらには、KINTOはWEBサイトからでも申し込みが可能で、全国一律のワンプライス。店頭で価格交渉をすることもなく、自宅でWEBサイトを見ながら家族と相談して決めることもできます。
支払額に任意保険料が組み込まれていることは、個別に契約する手間やコストも不要なうえに、保険の負担額が大きい若年層にとっては、大きなメリットです。
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